▽14歳の秋

「わぁ!秋ネエちいさい!」

瞳をキラキラと輝かせた天馬の目の前には、14歳の秋がいた。天馬より学年が一つ上といっても、女の子である秋は天馬とだいたい同じくらいの身長のため目線がほぼ同じだった。
円堂が雷門を率いてた頃にマネージャーとしてチームを支えていた秋の姿が目の前にあるというこの超次元な状況にも関わらず天馬は小さい秋を嬉しそうに見つめていた。見つめられている秋は恥ずかしそうに笑って「天馬は大きいわね」と口にした。その言葉に天馬はうん、と返事をする。それから、同じくらいの身長の秋を強く抱きしめた。

「…違う」
「え、何が違うの?」
「やっぱり違うよ秋ネエ」

今まで天馬は秋を抱きしめても、自分の体が小さいせいで抱きしめられているように感じていた。一人の女性として秋を好きな天馬にとってはこれほど悔しいことはなかった。だが今はほんの少しだが天馬の方が大きいため、抱きしめられているという感じはなかった。天馬は嬉しさのあまりふっと頬を緩ませた。
秋は状況がよく分からず「天馬」と何度も名前を呼んでいたが、天馬からの頬へのキスに口を閉じた。

「天馬?」
「今だけでいいから、俺だけの秋ネエでいてよ」

お願い、とそう子犬のような瞳で頼まれたら頷くことしか秋にはできない。「よく分からないけど分かったわ」と口にすれば天馬はまた嬉しそうに微笑んだ。


今日もアイラブユー


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