▽冬花視点

風丸さんはとても綺麗。女の私なんかよりよっぽど綺麗で、キラキラしてる。私がそう言うと風丸さんはひどく驚いた顔をして、そして怒った様な表情を見せた。何か怒らせるようなことを言ったような覚えはない。私は理由が分からず、首を傾げる。

「俺のどこが綺麗なんだ?」
「どこがって言われると困るんですけど…私にしてみればすごく綺麗なんです」
「何だそれ」

おかしそうに笑う風丸さんも、とても綺麗で素敵で、見惚れてしまう。あぁ、本当に綺麗。こんなに綺麗な人が私の恋人なんて、未だに信じられない。私は数日前に告白を思い出して頬を染める。風丸さんは不思議そうに私を見つめてきた。

「顔赤いけど熱でもあるのか?」
「ちが、います。ただ、告白を思い出していただけで…風丸さん?」
「うわ、ちょ、今顔見ないでくれ…っ」

私が告白という単語を出した瞬間に風丸さんの頬は私以上に赤く染まった。どうしてなのか分からず聞こうとすると風丸さんは私に背中を見せるようにくるりと一回転してしまった。そこで私はピンときた。あ、照れてるんだ。告白をしてくれたのは風丸さん。告白しているときは照れるなんてことなかったのに、どうして今更照れるのだろう。けど、何だか可愛くてついクスリと笑ってしまう。

「…笑うなよ久遠」
「あ、ごめんなさい。可愛くて、つい」
「綺麗の次は可愛いか。俺のこと男と思ってくれてるか?」

不満そうに言う風丸さんは真剣な表情で、思わずドキリと胸が鳴り目が離せなくなる。こんな表情もできるんだなって。男らしい、鋭い瞳につかまった気がした。

私はゆっくり微笑んで彼に告げる。

「当たり前じゃないですか。私は風丸さんのこと男性として好きですから」

背中をまた向けた風丸さんは照れている気がした。また可愛いに逆戻り。けれど、そんな彼がとても愛おしい。


明日が急に愛しくなった
(明日はどんなあなたを見せてくれるんだろう)

title by Aコース


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