▽円夏←ロココ/ロココ視点

マモルとナツミは幸せそうに微笑んでいた。僕の入る隙間なんかないぐらい、幸せそうに。胸がだんだんと締め付けられてくるけど、僕にとっての幸せはナツミが幸せになることだから、最後まで見届けるんだ。逃げたりしちゃいけない。二人の結婚式を最後まで見届けなくちゃ。

「ナツミ、今幸せ?」
「えぇ、とても」
「そっか…マモルと仲良くね」

僕がそう言うとナツミは綺麗に笑って頷いた。あぁ、僕の好きな笑顔だ。でもこの笑顔は僕のものじゃないんだ。もうマモルのものなんだよ。分かってる、分かってるのに胸が苦しいんだ。ズキズキ痛むんだ。どうしてだろうね、ナツミ。ナツミの幸せは僕の幸せなのに。おかしいね。

「いつも支えてくれたあなたにものすごく感謝してるわ。ロココありがとう」
「ううん、お礼を言うのは僕の方だよ。ナツミと一緒にいられた時間すごく楽しかった。ナツミ大好きだよ」
「ふふ、ありがとう。私も好きよ」

ナツミが何気なく言う言葉一つ一つに僕はまた胸が痛む。あぁ、吹っ切れてないんだって気づく。でも、駄目だよねこんな未練ったらしいのは。ナツミが幸せになるんだから、祝福しないと。

ねえ、ナツミ。俺―…

大好きだったよ。本当は今も大好き。けどこの気持ちは今日で封印する。ナツミの幸せを願うために。ナツミ、さようなら。

「ナツミ、お幸せに」


終わったよ 何もかも今
title by 累卵


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