体育祭

「極限必勝!!!」
その大声とともに俺の意識は浮上する。
「これが明日の体育祭での我々A組のスローガンだ!!
勝たなければ意味はない!!」
どこの戦前の叱咤激励だよ。
あー寝起きの頭にはキツいわ。
「そっかー体育祭のチームは縦割りだから、京子ちゃんのお兄さんと同じチームなんだ。
お兄さん、今日も熱いな〜…」
「なに引いてんの、ツナ。人が寝込んでる間にたらしこんだくせに。
この天然たらしめ」
そう言ってみるものの、ツナは京子の方を向いて顔を赤らめている。
話きけよコンチクショウ。
「うぜーっスよね、あのボクシング野郎」
「んなっ!?」
獄寺直球すぎだろ。しかも妹目の前に…。
「フツーにしゃべれっての」
「まーまー」
山本がなだめても獄寺の態度は変わらない。
「今年も組の勝敗をにぎるのはやはり棒倒しだ」
「ボータオシ?」
あぁ、そっか、帰国子女だもんな、獄寺。棒倒し知らねーのか。
「どーせ一年は腕力のある2・3年の引き立て役だよ」
「…今年はそうじゃねーかもよ?」
ほれ、と指さすところには了平が。
「例年、組の代表を棒倒しの総大将にするならわしだ。
つまり俺がやるべきだ」
次の了平の大音量に備え、俺は両耳を塞ぐ。
「だが、俺は辞退する!!!俺は大将であるより、兵士として戦いたいんだー!!!」
たんなるわがままじゃねーか!!
っは、いけねぇ、本来ボケである俺がツッコんじまった。
その後は強制でツナが総大将に。そして河原での特訓で、ツナは川に落ちた。
寒そう…。

ー翌日ー
俺は朝から弁当を作ってた。今日は体育祭だからな。
ちょっと気合い入れて作った。まぁ、ツナは風邪ひいてるけど。
さぁ、ツナも起きていよいよ体育祭が始まる。

100メートル走
山本が陸上部のホープに楽々と勝った後、俺も走る準備をした。
「めんどくせー…。適当に流すか」
「そうはさせねーぞ、銀」
げっ、リボーン…。
「そーだな、お前がもしこの100メートル走で一位をとってきたら、甘いものをいくらでも奢ってやるぞ」
あ、甘いものっ!?まじで!?
それだけで俺の気分は絶好調。俺の列にはザ・体育会系のやつらがいやがる。
それぞれ足もかなり速いらしい。だが負けねぇ。
糖分を手に入れるために!!

パンッ、とエアガンの鳴る音がする。それと同時に俺は駆け出す。
俺の隣、野球部のやつらしいが、そいつが脱落し、サッカー部、バスケ部、陸上部と抜いていった。
そして俺の順位は…
「一位!!」
俺は満面の笑みを浮かべ、優勝を喜んだ。
「速ぇーな、銀。お前100メートル11.78、普通ならありえねーぐれぇ速いぞ」
「そんだけ、俺の、っはぁ、糖、分に対する、執着は強いってわけだ、はぁぁぁ…」
正直、息も切れ切れで、辛い。でも、糖分が手に入るならそれでいい。
優勝って結構気持ちいいな。
ツナは隣でビリをもらっていたが。
その後は順調に敵の総大将達を獄寺達が掃除していき、結局、棒倒しはA組対、他チームになった。
「ゲッ、恭弥…」
誰にも聞こえない声で呟いたはずなのに、恭弥はこちらを見て、ニンマリ笑った。
「取り敢えず、頑張ろー」
そして棒倒しが始まった。
案外自由なもので、相手を蹴ったり殴ったり…。なんでもありだ。
なら、俺がやる事は決まっている。
「リボーン!レオン貸してくれ!」
どっから出てきたのかは分からないがリボーンにレオンを貰う。
そして木刀に変化させ、死ぬ気弾を撃たれたツナ達騎馬の前につく。
「俺が道を切り開く!お前らはその間に行け!んであの鳥頭ぶっ飛ばせ!!」
そう言って、俺は人の群れに突撃する。そこら中に人が散らばる。
一応手加減はしてあるが、当たりどころが悪かったら骨折するかも。
そうなったらごめんね。どんどん道が出来ていく。
だがやはり、獄寺と了平の喧嘩により、ツナの騎馬は崩れた。
そこから乱闘になるのだが、なぜか俺の周りに人はこなかった。

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