あーハイハイリボーン君ね、知ってる知ってる

ー早朝ー
はいどうも銀さんでーす。今日はマジでリボーンが来るみたいです。
え?何でって、窓からリボーンがうちのポストにあの家庭教師やりますっていう手紙入れてたからだよ。
なんで見てるかといいますと、頭痛で目が覚めたんだよねー。ま、どうでもいいけど。
さて、もうそろそろ一階行くかな。母さんの朝飯の手伝いしよ。
家族っていいもんだねー。すっげぇあったかいや。


「母さん、おはよう」
「あら銀ちゃん、もう起きたの?」
「うん、朝飯作んの手伝うよ今日は何にすんの?」
「今日はねー、お味噌汁と焼き魚と卵焼きにしようと思うの」
「おっけー、母さん座ってていいよ、俺やるし」
「銀ちゃん、料理なんか教えた事ないのに…。見様見真似で覚えたの?」
「まぁ、そんなとこ」
そう言って俺はテキパキと朝飯を作っていく。すると赤ん坊の声が聞こえた。
…来なすった。天使のような悪魔が…。
「沢田綱吉の双子の兄、沢田銀時か。
ちゃおっす、今日から沢田兄弟の家庭教師を住み込みでする、リボーンだぞ」
…ん?今、なんつった?沢田…"兄弟"?
「え、えええええええええうそおおおおおお、俺もオオオオオ!?」
「あたりめーだ、ボス一人育てたって、意味ねーからな。
10歳の時、家光から話を聞いてるはずだぞ」
いや、聞いてるけどさ…。
でも俺ツナほど頭悪くねー…ってか、そもそもノー勉で学年20位に入れるくらいには勉強できるし。運動は言わずもがな。
「んな事知ってるぞ。だからこそだ」
「…あっそ」
短く返事をして朝飯作りに再度取り掛かる。一応リボーンの分も作る。
「サンキュ、銀時」
「はいよー。あ、母さん、ツナ起こしてきてくんない?そろそろ時間」
「はいはーい!」
そろそろ来るか?
「うわああああああ!!」
ドタドタバターン!と、派手な音が出た。すげぇなツナ。
『ちゃおっす、お前がツナか。今日から俺が面倒見てやるぞ』
よくよく考えたら最初は赤ん坊に勉強教えられて、可哀想だよな、ツナ。
社会的に最底辺にいるじゃん。
「おい、おめーら、そんなとこで話してねーでこっちきて飯食え。冷めちまう」
あれ、なんかお母さんっぽい?俺。まぁいいや。
母さん、リボーン、ツナの順に席について朝飯を食べる。
「うめーな、銀時は料理が得意なのか?」
「…まぁな」
うまいと言われて、悪い気はしない。思わず頬が緩む。
「嬉しいんだ、銀」
「え!?べ、別にそんなんじゃ、嬉しいとか、思ってないし!」
悪い気はしない。悪い気はしないよ?でも、嬉しいかって言われると、うーん…。
「銀時、お前案外顔に出やすいな」
「う、うっさい…」
つか飯食ったんだったら早く学校行こうぜ。遅刻するし。
「…あ」
忘れてた。俺、遅刻したらヤバイんだった。あの最恐の風紀委員長が…。
「あぁあああああああ!!!忘れてたあああああ!!」
「ん?何をだ?」
「とりあえず早く行かなきゃなんねえんだよ!!いってきまーす!」
「いってらっしゃーい」
母さんの元気な声を背に家を出て行く。まだ大丈夫!まだ間に合う!…はず!
「やぁ、おはよう銀時」
おいでなすったァァアアア!!
「おげああああああ!!こっち来んなァァア!!」
追いかけてくる。ものすごい勢いで。マジで怖えって!
「今日は遅刻しないって!!大丈夫だからこっち来んなよ!!」
「嫌だね。僕はただ君と闘いたいだけだよ」
ちっくしょう!なんでこう毎日こいつは俺の行くところ行くところにいんだよ!
バカバカバーカ!恭弥のバーカ!マジぶっ殺すぞ。
「聞こえてるよ」
「チッ…」
とりあえずこの場から逃げたい。
「ねぇ銀時、僕と賭けをしようよ」
「はぁ?賭けぇ?」
「そう、賭け。ここから学校まで、君が僕に捕まらなかったら、君の勝ち。僕は君と闘うのを諦める」
「…いいぜ、のってやる」
そこから、俺と恭弥の鬼ごっこ(捕まったら死ぬ)が始まった。


あれ、おかしいな。俺、全力で走ってるよね?なのに、恭弥との距離を離すどころか、どんどん近づいてくるんですけどォォオオオ!!
「リーチの差だよ」
「うっせええええええ!!俺だって好きでこんなチビになったわけじゃねーんだよ!!
世の中うまくいかないことだってあるの!!できないことだってあるの!!どぅーゆーあんだスタァん!?」
「ふっ、君のそういう面白いところは好きだけど、追いかけっこ中に喋るものじゃないよ」
全速力で逃げてはいてもさすがに疲れてくる。すると後ろからうおおおおおお、という叫び声が。
わぁ、嫌な予感。
「うおおおおおおお!!」
「ツナ…」
後ろを振り向くとやはり死ぬ気弾を打たれたツナが、猛スピードで俺に(正確には笹川京子を追ってだろうが)走ってくる。超怖い。だがチャンスだ、これで恭弥から逃げられるかもしれない。
「なにあれ、銀時、知ってる?」
「俺の弟」
「…頭、大丈夫かい?」
「ァアン?誰の頭が大丈夫かって??なに、銀さんの天パをバカにしてんの?銀さんが天パだから頭もクルクルパーだって?ふざけんじゃねぇぞテメェ」
「すごい被害妄想だね、弟の方だよ完璧ラリってるじゃないか」
ラリってるとか言うのなコイツ。なんか新鮮。
「まぁ、大丈夫じゃないの?アイツあれで多分考えてると思うし」
「あ、そ「うおおおおおおお!!!」…卿が冷めた。追いかけっこはまた今度ね」
そう言って恭弥はスタスタと去っていった。
つーか…言葉切られたくらいで卿冷めんのかよ!!まぁいい。結果逃げられたわけだし。
今回ばっかりは本当にツナに感謝だな。

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