俺、生まれ変わったみたいです
ピッピッピッ
機械音が鳴り響く白い病室に、白いベット。そこに横たわる一段と白い男。
それを囲むように見ている真っ黒な男と眼鏡の少年、オレンジの頭をした少女。
鼻をすする音、噤んだ口から漏れる嗚咽。
あれ…新八、神楽、もしかして泣いてる…?土方も…?
"泣くわけねェだろ、馬鹿野郎が…っ"
ふふっ、やっぱり泣いてんじゃん…
"そういうテメェも、泣いてんじゃねーか"
そりゃ、今日死ぬんだから、泣きもするでしょ
"諦めてんじゃねーよ…"
テメェらしくもないって?いいじゃん、今日くらい。もう、治んないんだしさ
"畜生…!畜生…!テメェを死なせてたまるか…!"
いーから、最期くらいそばにいろよ、土方…
…名前、よんで?
"銀時…"
うん、土方、もう時間みたい…
"あぁ、さよならだな、銀時…"
うん、土方
"何だ?"
…あのね、ーーーーー。
ピー、という機械音が、白い病室に響く。それと共に少女と少年の泣き声が大きくなる。
土方、と呼ばれた黒い男の口からは嗚咽が漏れ、三人その場に泣き崩れる。
白いその男、坂田銀時は亡くなった。江戸で流行っている結核にやられたそうだ。
その日、江戸から一つの華が消えた。
ある病院の一室
おぎゃあ、おぎゃあと元気な声をあげ、二人の赤子が生まれた。
一人は琥珀色の癖毛の髪をもち、もう一人は
綺麗な銀色の、髪だったという。
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