あなたに一生仕えます
「ザキも土方もいつまでここにいやがる、邪魔だぜ」
「てめーこそ加恋の部屋にこれ以上何の用だ、どうせやることもないならさっさと出勤しやがれ!」
「イヤだな土方さん、恋人が部屋ですることなんざ一つしかありませんぜ、野暮ですねぇ全く」
「てめーらのやることに恋人もくそもあるかァ!ガキは黙って言う通りに」
土方さんの言葉が終わらないうちに、突如こちらを振り向いた隊長が、声を上げる間も無く私の顎をくいとすくって…
やわらかな唇をおしつけた。
「っうお、な、なにしてやがる…」
頭がまっしろ。
土方さんの声と、ザキが硬直する気配を感じ取ったけど、どうすることもできずに隊長のキスを受け止めていた。
「たいひょ…」
うるせえと言わんばかりに、口づけを強くされる。
隊長が頭をおさえてきて、そしてぬるっと…
「…んっ」
「何してんだ総悟ぉぉぉ!」
勘付いた土方さんが繰り出すバチコーーンという強烈な音。
隊長の頭が横に張り倒されるのがみえた。
「いってぇ何しやがる!」
「こっちの台詞だ!朝から盛ってるんじゃねぇ、加恋に…お前、ほんっと、お前ってやつは…」
ぜえはぁと息を切らして、とんでもないものを見るような目で隊長をしばく土方さん。
…びっくりした〜!
最後に入り込んだ舌の感触がなまなましく残ってる。
「…隊長、もしかしてっ
見せつけてくれたのね」
ぴとっとその腕に抱きついた。
「おぅこれでわかったか、恋人らしくこれからいちゃつくんで出てってくれィ」
「いやだから沖田さん、勤務!仕事は?!」
「まだ諦めませんか、仕方ねぇやおい加恋こっちこい…」
「わっ」
「おっ沖田隊長ォ!?」
「もういい山崎、行くぞ!」
俺ァまだ加恋を美しく見ていてぇ何も見たくねぇし知りたくねェ!
と、珍しく意味不明なことを叫びながら、土方さんがザキの首根っこをつかんで外へ連れ出すのを横目で見た。
隊長は私にのしかかっていて、私はというとまた両手首を抑えつけられて畳にあおむけに張り付いていた。
なんだか、このあと殺されるみたいな体勢。
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