鮫に向かってUSBメモリを投げる。
ス「んだぁ?これは」
『取られなくて良かったな。たぶん、ヴァリアーの情報だ』
ス「う゛お゛ぉい!!!!何時の間にぃ!?フィオレ助かったぜぇ」
『……別に。元はといえば僕が悪いんだ。気にするな。さて、ここもバレたし失礼させてもらうよ」
この時、黙って成り行きを見守っていたマーモンが口を開く。
止めてくれ。
心を乱さないでくれ。
マ「次は、どこに行くつもりだい?」
『……さぁ?僕は気まぐれだ。気の向くままに歩くだけさ』
マ「いいのかい?ねぇフィオレ。気づいてないのかい?君に触れているのに……」
『…………僕がここにいると迷惑がかかる』
マーモンの言いたいこと、そんなの僕が一番よく分かってる。
だって、僕も驚いたんだから。
僕以外のアルコバレーノは赤ん坊になる呪い。
一方、僕は……氷の呪い。
僕が触れたものは生きとし生けるもの全てを凍らす。
だけどヴァリアーのみんなは僕に触れても凍らなかった。
何故かは分からない。
でもそれが事実であり、現実だ。
マ「ここは君にとって数少ない居場所だよ。迷惑なんてかからないさ」
『…………そうだと、いいな。ねぇ、スクアーロ。僕はここに入隊できるかな?』
ここは僕の居場所になり得る唯一の場所だから。
13輪 : 奇跡に等しい場所
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