嫌//好
2011/03/01 17:38
「こいつ、俺のなんだけど」
首に腕が回ってきた。どくん、と心臓が大きな音を鳴らす。
この声はあたしの嫌いなあいつだ。
「ちょ、何!?」
「え、そうなの?なーんだ。失礼したね」
そういうとあっさりと男は手を振って去って行った。さっきまであんなにしつこかったのが嘘みたい。
あいつの腕が離れると、あたしは一歩後ろに下がり振り向いて言った。
「ちょっと!だっ誰があんたのなのよ!」
「・・・うっせーな」
「ちゃんと聞きなさいよ!」
「聞いてるって。声でかい」
あいつが自分の耳を両手で塞ぐ。あたし、そんなに大きい声だしてないし!
「でも、お礼だけは一応言っておくわ!ありがとう助かったわ!」
あいつに助けてもらって嬉しいとか絶対ないんだから!!お礼だって貸しを作るのが嫌なだけ。さっきはいきなり腕が回ってきてびっくりして、どきってしただけ!
-----
ナンパされてるリンを助けたレン。
リンにきたナンパはしつこくて、しばらくは見てただけだったけど耐え切れなくて行った。
リンとレンは犬猿の仲。
でも相手が異性と話すとイライラするとか、邪魔しに行くとか。
無意識的に好きになってる、みたいな。
prev | next