似て似つ続編 | ナノ




2年後篇×注意×ほぼ銀さん寄りじゃないです



なんやかんやあり、町中2年後の世界と化した中、何故か俺だけ取り残された。

とりあえず自分も2年後を装ってみたが、それはイボのせいだとニュースが流れる。

新八も神楽もどっか行っちまったし、ハリセンを持って万事屋を出た。


「そういや…アイツ、大丈夫か?」


いや、大丈夫だろ。アイツ向上心ないタイプだろ。大丈夫大丈夫。


「カイザー…!!しっかりして!!」


アレ、大丈夫じゃないかも。


気付かれないよう遠目から見てみると、何故か口から血とマヨネーズを吹き出す沖田くんに寄り添う夕日がいた。
その側に神楽と新八と土方くん。


「貴方は…孤独な支配者なんかじゃない…。修行とは名ばかりのパチンコ生活する銀さんのせいで、寂しい思いをしてた私を励ましてくれたのは貴方じゃないの、カイザー…。」


ちょっと待てぇえええええ!!!!なんだコレぇええええ!!!
銀さん2年修行に出て放置された設定なのぉお!?!?しかもパチンコ修行!?!?
いや俺ちゃんと修行してたよ妄想だけどぉお!!"富士額に女寝取られたり"とかも言ったけどアレ嘘だからぁあああ!!!!


「孤独なんかじゃない、寂しくなんかない…だって、見て?この子…誰の子だか、わかる?」

「……夕日!」


誰の子だコルァアアアアア!!!


「ひ、土方さん!!!それもイボです!!早く叩き潰して下さい!!!!」

「土方さん!!!この子には…ヨツバにはなんの罪もないの!!!銀さんの放浪癖に堪えられなかった私が悪いの!!」


ちょっと何コレぇえええええ!!!!
アイツの結婚と妊娠に対する向上心が皇帝選んだの!?!?そうだよね!?!?そうだと言ってぇええええ!!!


「オイ眼鏡…あの子だけは…ヨツバだけは、見逃してくれねぇか…」

「惑わされないで下さい土方さん!!アレもイボです!!退いてください僕がやります!!」

「やめなさい新ちゃん!!瀕死の人間を襲うなんてアナタそれでも侍ですか!」


またややこしいのが出てきた…っつーかアイツも出産してんのかよ!!!!

何やら叫ぶ新八がお妙を叩こうとしたが、赤ん坊の前髪を見た土方くんが阻止をする。
何この茶番。



「あっ、お妙さん。」

「アラ、夕日さん。土方さん…この子ね、ヨツバちゃんと同い年なんです。」

「ふふ、二人でよく話してるんですよ。そのうち幼馴染みになって、行く行くは結婚なんかしちゃったりして…って。」

「………オイこの子だけは見逃してくれねーか。十五郎だけは俺の手で育てさせてくれねーか!!十五朗とヨツバの未来を守らせてくれねーか!!」

「落ち着けぇえええ十五郎って誰だよ!!!」


そこに闇を抱えたゴリラが登場し、何やらゴタゴタしながら皆ゴリラを追っていった。
土方くんは、去り際に「夕日とヨツバを頼むぞカイザー!いや、お父さん!!」とか叫んでた。
何この茶番。

取り残された夕日は、子供を抱えてバカイザーに走り寄った。


「夕日…」

「カイザー…ううん、ソーゴ…!しっかりして!私知ってるよ…ソーゴが、なんで江戸を征服しようとしてるか…」


江戸征服しようとしてたのこのバカイザー!?


「そうでもしないと…いつか私が…銀さんの所へ戻るかもって、思ってたんでしょ?」

「私は…俺ァ…」

「そして、銀さんと敵対する理由を無理にでも作ろうとしてた…"私のせい"で喧嘩になったんじゃないって…言うために…」

「そんなんじゃ、ねェ…」

「でもね、大丈夫だよ…私が貴方を選んだのは、皇帝だからでもない、お金があるからでもない、子供ができたからでもない、銀さんが…帰ってこないからじゃない……ただ、ソーゴのことを…愛して

スパーーーン!!!


悪ィがその先は言わせねェ。例えイボでも。
アレ、なんか俺も茶番テンションになっちゃってる。

イボが潰れて気絶した夕日と沖田くんをとりあえず放置して、残るバカイボどもの処理をしてやった。



ビルから降りると目を覚ましたらしい夕日が頭を押さえていた。


「いたたた、なんか思いっきり叩かれた気がする…てゆうかなんでこんなとこにいるんだっけ。ねぇ、総悟覚えてる?」

「何かに意識を支配されてた気がする…そして何かを支配していた気がする…でもハッキリ思い出せねェや。」

「夕日。」

「あ、銀さん。」

「…俺さぁ、パチンコやめようかな。」

「え……ど、どうしたの?頭でも打った?」

「いや完全にやめるのは無理かもしれねぇけど…減らすわ、月1くらいに…」

「急にどうしたの?ホント…」

「お前の向上心見て、分かったんだよ。俺も、いつまでもフラフラしてるわけにはいかねぇって…だから…俺と、そのアレだ、けっこnスパーーーンッ!!


え……?


「いやなんか後頭部に虫みてぇのくっついてたんで。」


沖田君の手には、さっき土方くんが落としていったであろうハリセン。

遠退く意識の中、思った。

………俺の向上心って"そこ"なの?
ジャンプの主人公としての向上心はないのに?
いやコレはアレだろ、向上心というより焦りというか…だってお前、イボとは言え、普通他の奴とガキ産む?
アバズレにも程があんだろ。いくら銀さんがパチプロ目指す修行の旅に出ようとそれはねぇだろ。


「銀さん!?大丈夫!?…アレ、何このイボ。」


2年後どうなってるかなんて知らねぇが、アラサーの女にとって、2年はデカイもんなんだと学んだ。

……パチンコ控えるか。

…週1くらいに。

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