バカップルのらびゅ&クソ小ネタ@ [ 22/87 ]


写真を載せちゃいけません!


航がついったーというものにハマってしまったらしい。

なっちくんやモリゾー、クソカベと、りついーととかなんたらかんたら言って盛り上がっている。

意味がわからん。

お前らそんなんしてねえで勉強しろ。

ついーとってなんだ、甘いのか。
……いや、それはスイーツ。

まったくもって意味不明だ。


「るいきゅんこっち向ーいて」

『カシャ』

「あ。」


しまった。写真を撮られてしまった。

しかし航が俺の写真を撮ることにはもう慣れた。

「こら。」と航の頭を叩くが、別に怒ってはいない。航は俺が怒らないのをいいことに、にこにこ機嫌良さそうにスマホをイジリ続けている。


「俺の、イケメン彼氏くん。ついーと。」

「りついーと」

「りついーと」

「りついーと。」


なんだ?
こいつらなにしてやがる。


俺の目の前で真剣にスマホをイジっているモリゾーたちに首を傾げると、航が興奮したように口を開いた。


「おぉ!伸びる伸びる伸びるりついーととふぁぼが伸びまくる!!!」

「航それはやべえ鍵垢にした方がいい。」

「………お前らなにやってんの?」

「なんでもない、なんでもないよ。」


うふふ、と笑ったなっちくんは、スマホをポケットにしまった。


「はっはっは、なんでもないよね。」


そう言ったクソカベも、何事も無かったようにスマホをポケットにしまった。


「矢田くんの写真載せただけでりついーと稼げる航のついったアカウントはこちら」

「シッ!モリゾーそれ以上言ったら殺すから。」


まったく意味がわからない。

意味がわからない俺は首を傾げるが、航は「うふふ。」と笑ってポケットにスマホをしまい、上機嫌に鼻歌を歌い始めた。


その日の夜、航はスマホ片手に興奮気味に口を開いた。


「うおお!!!りついーと最高記録キタァ!!!」


何事かと、航のスマホを奪い取ると、Twitt●rというページに俺の写真が貼られてるじゃねえか!!!


その日、俺は久しぶりに航に激怒したのだった。


「このアカウントは削除だ!いいか!絶対にだ!!!」

「…はーい、ごめんなさーい…」

「声が小さい!!!!!」

「ごめんなさい!!!!!」



写真を載せちゃいけません! おわり



体重に悩む航とお変態るい


「うーん…」


ある日航がパンツ一丁で体重計に乗って唸っていた。

背後から『何を唸ってるんだ』と窺いながら航の腰に腕を巻きつけ、密着しながら航が乗っている体重計に一緒に乗ると、グンと体重計の数字が増える。

2人で100キロ超え。
まあそりゃそうだよな。

ってのはどうでもいいことで、スッと航のパンツの中に何食わぬ顔をしながら片手を突っ込んだら無言で叩かれた。…ああ。えっちしたい…


「るい体重何キロ?」

「ん?俺?65キロくらい。」


と言いながら体重をはかると、63キロだった。


「あ、減ってる。」


まあ体重はあまり気にしたことないけどそれよりどちらかというと体脂肪の方が気になる。


「るい63キロかぁ。」


俺の体重を眺めながら、口に出す航。

「航は?」って問いかけると、航は俺と入れ違いに体重計に再び乗り上がった。


「56キロ?軽いな。」


いや、俺が重いのか?

自分の体重と比較してしまい、思わず口からポロリと感想が溢れる。

航はジーと体重計の数字を眺めていた。


「航細いからな。」


とか言ってセクハラ親父のように航の細い腰に腕を回して触れる。またパンツの中に手を入れようとすると叩かれた。


「俺には筋肉が足りないのだ!!!」


そしていきなり、気合いが入った声を上げながら、床に尻を付けた航。


え、航に足りないのは脂肪じゃね?って思いつつ、なんだなんだと見ていると、「フンッ!フンッ!」と腹筋し始めた航。


俺は空気を読み、足を持って数えてやると、航は100まで腹筋した。


「おつかれ。」って声をかけてパンツを脱がそうとすると頭を叩かれてしまった。


パンツ一丁でいる航が悪いと俺は思う。


「今日から腹筋毎日しようと思う!」

「お、いいね。俺もやる。」


航がパンツ一丁だから、なんとなく俺もパンツ一丁になって腹筋をした。


俺の足を持ってくれる航が、ジーと俺の腹を見つめてくる。


そして、なでなでと腹を撫でてきた。


「…ん?航くん?」

「るいの腹筋キレイ…」


なでなで…なでなで……

と腹を撫でながら褒められたもんだから、


たまらなくなって俺は航を押し倒した。
今のは絶対航が悪い。

その後はお察しのコースだが、まあこれも立派なスポーツだ。


体重を気にする航とお変態るい おわり



叩いてかぶってジャンケンポン
《 航&るい流 キスver. 》


「「叩いてかぶってジャンケンポン!」」


と下敷きを前に置きながらジャンケンをする航と矢田くんだが、ジャンケンに勝った矢田くんがジャンケン後に航の唇にキスをした。


「…なんだあれ?」


そんな様子を見ていた俺に、日下部が説明してくれる。


「叩いてかぶってジャンケンポンの叩いての部分をキスに置きかえた遊びだってさ。」

「えぇ、なにそれ。普通にキスしろよ…」


キスさえも遊びに変えてしまうラブラブな2人に呆れる。


「「叩いてかぶってジャンケンポン!」」


そしてまた矢田くんがジャンケンに勝ち、航が下敷きで唇をガードした。


「あっクソっ!」


下敷きにぶちゅっとキスした矢田くんが悔しそうな表情を浮かべる。


「へっへっへー」


それに比べ航は、勝ち誇ったように笑った。


「「叩いてかぶってジャンケンポン!」」


何回やるんだ、と思いながら見ていると、今度は航がジャンケンに勝った。そして、ぶちゅっと航は矢田くんの唇にキスをする。

矢田くんガードする気全然なかったぞ。

と感じた直後、航は下敷きを持ち、ベシッと矢田くんの頭を下敷きで叩いた。


「ガードしなきゃゲームになんねえだろうがっ!」


そして、矢田くんに向かって怒鳴る航に、俺はその通りだと思った。


ガードする気が無いなら普通にキスしてろ。


叩いてかぶってジャンケンポン
《 航&るい流 キスver. 》おわり



るいの夢と、現実と、寝言。


高校2年、進級したての春。

Eクラスの教室前を通るたびに、生徒会役員、矢田 るいは、イライラを募らせていた。

うるさい。騒がしい。
常に聞こえるバカ笑い。

「チッ」と舌打ちをしながら、Eクラス教室前を通り過ぎようとした時、矢田るいの視界には、見た瞬間にギョッとする光景が広がった。


靴を履いたまま、机の上に立ち上がっている生徒が1人。黒板に向かってまるで野球のピッチャーのようなフォームで何かを放り投げようとしている。


黒板には、的当てのような下手な的がチョークで描かれており、机の上に立っている生徒が的当てをしていることはすぐに分かった。

しかし机の上に立つなどバカか。

危険なことをするなと、るいはEクラスの教室へと足を踏み入れる。


「おい、バカ!何やってんだよ!」


るいが声をかけた瞬間、その生徒は振り返る…

と同時に、


「うわっ!!!」


机の上に立っていた生徒がバランスを崩し、るいの頭上から降ってきた。


バンッ!と2人揃って地面に倒れこんだ、と思ったと同時に、るいは目を固く閉じ、



………次に目を開いた瞬間に広がる光景は、



シンプルな家具などが置いてある生活感溢れる一室の、ベッドの上。


そして、全裸で眠る自分と、

肌を寄せ合って眠るもう1人…

暖かくて、心地よい感触。


「…あ、…わたる…」


すー、すー、と寝息を立てて眠っている、その人こそ、先程机の上に立っていた人物。


……ああ、そっか。今の、夢かぁ…。


「…机の上なんか乗ったら危ねえだろぉ?」


眠たい頭で、るいは無意識に口を開く。


「…危ないことはやっちゃだめ。」


よしよし。と、隣で眠っている航の頭を撫でながら、


るいはまた、無意識に目を閉じた。


「……ん?…なに?…るいなんか言った…?」


耳元で声が聞こえて、航はうっすらと目を開く。

けれど、るいは目を閉じて、すー、すー、と寝息を立てて眠っていた。


「…危ないよ…、だめ…。航だめ。」

「……ふはっ、…るい寝言?」


るいの寝言に、航はクスリと笑みを漏らして、またすりっとるいの素肌に身を寄せて、再び眠りについた。


るいの夢と、現実と、寝言。 おわり



航とるいの倦怠期…(?)


「航と矢田くんって倦怠期とかって来たことねえの?」

「ん?………倦 怠 期 とは?」


なっちくんに突然問いかけられた内容に、俺はその言葉の意味を聞き返した。


「…あ、無さそうだね。うん。まあ分かってたよ。うん。なんでもないから今の言葉は忘れて。」


しかしなっちくんは俺の問いかけには答えてくれず、もう興味が失せてしまったように俺から視線を逸らした。


はあ?なんだよ。
聞いてきたなら意味くらい教えろよ。

と思いながら、まあ別にいいし。意味くらいスマホで調べるし。

…と【 倦怠期 】と検索した。

…ふむ。

倦怠期、とは。

互いに飽きて嫌になる時期。

なるほど。

俺はこの日、倦怠期という言葉の意味を知った。


互いに飽きて嫌になる…ねえ。

今のところ…そんなことは、

……いや、待てよ?


わからんぞ。るいと一緒にいることが当たり前になりすぎて、感覚がよくわからなくなっている。

これはつまり、倦怠期という可能性がワンチャンあるな?(※ないです)


俺はその日、るいと俺が倦怠期じゃねえのか?と探りを入れることにした。


「るい〜、俺今日カレーが食べたい。」

「オッケー、今から作るわ。」


ふむ。俺のわがままに嫌な顔一つせず、るいは冷蔵庫から材料を取り出し、夕飯の支度を始めた。


チクタク、チクタク…

時計の音と、るいが作業する音しか聞こえない空間、そして俺たちの間には会話がない。


これはもしかして、
倦怠期じゃねえのか!?(※違います)


俺は、るいと俺が倦怠期である疑いをかけ始め、様子を伺うことにした。


トントン、と包丁で野菜を切っている。
…かっこいいなぁ、るいの後ろ姿…。

ハッ!…これはもしや…!

るいのイケメン顔を見飽きて、後ろ姿がかっこよく見えちゃうというやつか!…つまりこれは倦怠期!(※違います)


クッソ〜、まじか…
俺とるいが倦怠期だなんて…


「あ、卵今あったっけ?…あ、ねえわ…。ごめん航…今日ゆでたまご無しだわ…。」

「はあ!?まじかよ!?これじゃあガチで倦怠期じゃねえか!!!」


るいが卵を買っていないなんて!
(※人間そんな日もあります)


「へ?倦怠期?」

「おう!これは倦怠期に違いねえ。」

「航倦怠期の意味知ってんの?」

「うん。今日ネットで調べた。」

「……ふぅん。じゃあ航、俺のこと嫌になったの?」

「ううん、だいすき。」

「俺も航だいすきだよ?」

「…ハッ!……やっぱりこれ倦怠期だわ!!!」

「なんでだよ!!!!!」



愛の言葉をまるで『おはよう』って挨拶するように言い合うなんて…

倦怠期のなにものでもねえ!


(※倦怠期という意味を知り、ちょっと倦怠期な関係に興味を持ってしまった航のなんだかよく意味のわからないおはなし)


航とるいの倦怠期…(?) おわり


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