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高校2年に進級して数ヶ月、生まれて初めて恋人ができた。相手は同じクラスに転校してきたかわいいかわいい男の子。
俺のひとめぼれだった。仲良くなれただけで十分嬉しい事なのに、まさか俺の恋人になってくれるなんて。まさか彼も、俺のことが好きだなんて。
俺はそんな彼のことを、運命の人だと思わずにはいられない。
彼、片桐永遠くんは、休日の家族が留守で誰も居ない自宅に俺を招いてくれた。部屋に入ると俺の胴体に腕を巻きつけて、「ん」と目を瞑ってくる。
これはどういう意味かと言うと、キスをしても良い合図。ぷっくりした唇があまりに美味しそうで、ゴクリと唾を飲み込んでから、永遠くんの頬に手を添えて唇を重ねた。
「ハァ…」
あーだめだ。もう無理っす。
キスだけで見事なまでに勃起した俺は、やんわりと永遠くんから距離を取ろうと手を離した。しかし永遠くんの腕が身体に巻きついていて離れられない。
永遠くんの腹には俺のソレがグイグイ当たってしまっていて、あっさり「あ…」と気付かれてしまい、恥ずかしくて顔を手で隠した。
「光星くんえっろ〜。」
俺をからかうような永遠くんの声に手の隙間から永遠くんを睨みつけると、永遠くんはかわいい顔をして笑っている。
「わりと正常な反応かと。」
開き直るようにそう言ったら、永遠くんはあっさりした態度で「せやな」って相槌を打ち、ぴょんとベッドの上に乗り寝転がった。
「光星きて!」
そして永遠くんは俺に向かって手を伸ばした。
どこまで触れて良いのかわかんねえけどベッドに乗り、永遠くんの身体に跨りながら近付いたら、永遠くんの腕が俺の首に回される。
結構永遠くんの方が積極的だから俺は歯止めが効かなくなりそうだ。
またキスをして、舌を入れると永遠くんも積極的に絡ませてきた。「チュゥ」と音がして、舌を吸われる感じがして恥ずかしながらもちょっとイキそうになってしまう。
「ハァ…、ハァ…」
キスをしながら永遠くんのシャツの中に手を入れ、永遠くんの身体に直に触れる。布越しで股間同士を擦り合わせ、自分が如何に永遠くんの身体を欲しているのかを悟り、内心めちゃくちゃ焦り始めた。
人を抱くのなんてまだ未経験で、況してや相手は男の子。でもしたい。やりたい。触れていたらどうしても、永遠くんとえっちしたくなる。
永遠くんを前にして溢れまくるそんな感情に無意識に腰は揺れ、すでにめちゃくちゃ興奮しながら永遠くんの身体を手で弄った。
首付近まで捲り上げてしまった永遠くんのシャツに気付き「脱がしていい?」って聞くと、永遠くんはこくりと頷く。
永遠くんはほんのり頬を赤く染めて、俺の顔をぼーっと眺めてきた。
「あんまり考えたことなかったんやけど俺って抱かれる側なんやな。」
「…ごめん、俺はそういう目で見てる。」
「俺のこと抱きたいん?」
「うん。抱きたい。」
当たり前のことを聞いてきた永遠くんの言葉に頷くと、永遠くんは表情を緩めてクスッと笑った。
「…恥ずかしいなぁ。まあ、そのうちな。」
「…いいんだ?」
「俺も興味ないことはない。」
永遠くんは、純情そうに見えて結構えっちだ。
以前香月と平然と下ネタを話しているのを聞いてしまってぎょっとしてしまったことがある。
そう、彼も、かわいいかわいい顔をしているけど、立派な男の子なのだ。
小手調べに永遠くんの股間にそっと触れてみるとちゃんと勃起していた。俺とのキスと、触れ合いに反応してくれていて嬉しい。
永遠くんの穿いているズボンとパンツをいっぺんに下ろすと、永遠くんは恥ずかしそうに片足を動かして真ん中を隠そうとする。
ほぼ全裸の永遠くんに興奮して息が荒くなる。永遠くんの勃起したモノに手を伸ばし、上下に擦りながらキスをしたら、永遠くんの口から「んっ」とかわいい声が漏れた。
「永遠くんも結構えろいよな。」
俺だけ興奮してるみたいに見えるのは嫌で、そんな言葉を口にすると、永遠くんはハァハァと息を吐きながらにこりと笑った。
「あ〜きもちぃわぁ。人にやってもらうのって楽ちんやな〜。」
目を細めて、枕に頭を預け、リラックスするような姿まで見せてきた永遠くんに、俺の心の中では密かに火が燃え上がった。
もっと乱れまくった永遠くんが見たい、と。
永遠くんのモノの先っぽを親指の腹でぐりぐりと擦りながら、乳首を舐め、チュッと吸い付いてみたら、永遠くんは簡単に「あッ」と喘ぎ声を上げた。
足を曲げて、ふるふると震え始めた身体に俺はさらに興奮してしまい、永遠くんの股間に顔を埋めて先っぽから濡れ始めていたソレにしゃぶりつく。
「えっ…!いやや、待って!恥ずかしい!」
永遠くんは足を曲げて俺から距離を取ろうとしてきたけど、片腕を永遠くんの背中の下に回してがっちりと永遠くんの身体をホールドしながら咥えた。
口を上下に動かすと、永遠くんは快感に耐えるようにふるふると身体を震わせる。チュッ、と先っぽを吸いまた口の中に入れ上下に口を動かすと、「んんっ!」と悶えるように足を動かしながら永遠くんは声を漏らした。
付け根から先っぽに向かって舐め上げて、また咥えようとした頃にはもう限界がきていたようで、俺の髪を掴みながら身体を震わせ射精する。
その時の表情が色っぽくて目が逸らせない。
永遠くんのそんなえっちな姿を目に焼き付けるように間近でまじまじと見ていたら、ハァハァと息継ぎしている永遠くんに無言で睨みつけられた。
「光星は、っ…結構どころか、…むっつりやわっ」
そしてちょっと怒ったようにそう言われてしまい、否定できなくて「ごめん」って謝罪の言葉しか出てこなかった。
…むっつりっていうか、永遠くん見てたらどうしても止められなくなってしまったのだ。
自分がむっつりなんて思ったことなかったけど、好きな人のことになるとそうでもないらしい。
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