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「はぁ…。」

「あれ?新見と付き合いだして浮かれポンチな隆くんどしたんよ?」


俺がため息を吐いた途端、祥哉にバカにされるようにそう言われ、ジトリと睨み付けると祥哉はケラケラと俺を見て笑っている。


「お前らの話題尽きねえよなぁ。ほんとに付き合ってるのか?まだフリしてるだけでは?ってそんな話ばっかされてるぞ。」

「それは別にどうでもいい。周りのことなんかこっちはまったく興味ねえよ。」

「ふぅん。じゃあなんのため息だ?」


祥哉にそう問いかけられるが、言いたくなくて口を閉じる。倖多と早くヤりたすぎて迫ってたら怒られた、なんて言ったら爆笑されそうだ。


あの綺麗な肌はなんなんだ?近くで見れば見るほど、きめ細やかな肌してるぞ?

女の身体はしっとりしてて、柔らかくて、触り心地良くて、そりゃ抱きたくなるけど、女みたいに柔らかい身体じゃなくても、近くで見れば見るほど綺麗すぎる倖多の肌の所為で、もっとその身体全部見たいと思わされる。


「なぁ、付き合ってすぐヤるのって早すぎんの?」

「ん?そうなのか?俺ヤったことねえしわからん。」


…しまった、部活が恋人の人間に相談する内容じゃなかった。聞いてすぐニヤニヤしだした祥哉に失敗したなと顔を逸らす。


「わかったぁ〜隆くんお預け食らってんだ。」

「…うん、そうだよ。」


祥哉相手に否定するのも面倒で、正直に頷いたら「なるほどなるほど。」と励ますようにポンポンと俺の肩を叩いてくる。


「宿泊学習の時すでにもう襲ってたもんな。付き合ったらヤる気満々だったんだろ。」

「そうなんだけど、そしたら倖多に手早いって言われた。」

「まあ新見にもペースがあるだろうし待ってやれば?」

「待てねえよ。倖多の着替えとか見るだけで襲ってしまいそう。まじで綺麗な肌してんだぞ?乳首とかヘソとか見るだけでまじそそられる。

……あ!!でも俺の倖多なんだからお前はやらしい目で見んなよ!」


散々惚気のような事を言っておきながら、ハッとして言葉を付け加えると、祥哉はさらにニタニタ笑みを濃くして「俺に言うより周りの男に言ったほうが良いぞ〜。」とまたポンポン肩を叩いてきた。


「もうすでにかなり見られてるだろ、やらしい目で。ノンケだった隆ですら見てるんだから。」


…ごもっともだ。

それもそうだ、と頷いていると、「隆とほんとは付き合ってなかったって喜んでる男が新見のこと狙ってるっぽいし気を付けろよ。」とさらに続けて祥哉にそう忠告される。


「は?どこのどいつだよ、倖多に手出したらぶん殴ってやるからな。」

「どこのどいつって、いろんな奴だよ、いろんな奴。飢えた男がいっぱい居るんだから気をつけろよって言ってんの。」


…それもそうだ。俺だって飢えてる。はやくヤりたい。エロ本全部捨てたんだぞ。おっぱいなんてものにはもう興味ねえ。あるのは倖多の綺麗な乳首、ヘソ、尻!背中も結構好きだ。

AVはもったいなくて捨てらんなかったけど。

でも今はAVもまったく見る気起きない。

だって倖多の方が綺麗でそそられる。どんな声で喘ぐんだろう、なんて想像しただけでやばい。

そんな人が俺の恋人なんだぞ?ヤりたい気持ちを抑えろって方が無理あるだろ。倖多は自分の魅力に全然気付いてねえから俺の気持ちがわかるはずないんだ。


「あーだんだん腹立ってきた。」

「何にだよ。」

「倖多に。」


今度は俺がまさかの倖多にいきなりキレてるから、祥哉は意味不明そうに「はあ?」と首を傾げながら笑っている。


「俺が!手早いんじゃなくて!!倖多が!!!綺麗なのが悪いんだよ!!!!!」


ガン!ガン!ガン!…と、騒音を立てながら、周りの迷惑も考えず俺は祥哉の机を蹴って八つ当たりすると、「どっちもだろ。」と返されてしまった。


「あとで新見に隆がキレてたって言ってやろ。」

「おいやめろよ!」


ただの俺の逆ギレだという自覚はちゃんとあるため、祥哉には必死で口止めした。


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