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「あ、なんか飲む?」
「うん喉かわいた。」
頷いたらるいは冷蔵庫からお茶の入ったペットボトルを取り出し、手渡してくれた。るい優しい。
蓋を開けてお茶を飲んでいると、るいは相変わらずご機嫌そうな様子で、床に腰を下ろし、ベッドに凭れかかった。
くるりと振り返って俺に向かって片手を伸ばしてきたるいが、ペットボトルを持たない方の俺の片手を掴みにぎにぎと握ったりして俺の手を緩い表情でいじっている。
「非常におかしなるいきゅんである。」
語り口調で口を開けば、るいは「ん?おかしい?」と問いかけてきた。
「うん。すげえおかしい。どしたの?」
「んー?別にいつもと変わんねえけど。」
「いやいや変わってるけど物凄く。」
なんか調子狂う。あ、ひょっとして熱あるとか?と思ってるいに近付いてベッドの上からるいの額に手を伸ばそうとすると、るいは俺の頭を両手で抱えるように掴んできて、そのまま下に引き寄せられ、ぶちゅっと凄い体勢でキスされた。
「うわっびっくりしたっ」
「ふふっ」
笑っているるいは、「あ〜、」と口を開け、下から俺の口の中に舌を入れてくる。
顔を上に引くと唇は離れ、ムッとされてしまった。この人誰だろう、って思うほど、やっぱり今日のるいは変だ。
「そんなに良いことだったんだ?」
るいが教えてくれない“良いこと”。もう一度話題に出すと、るいは「知りたい?」と聞いてきた。
「うん。」と頷くと、るいは暫し考えるように黙り込んで、口を開いた。
「じゃあ航からキスしてきたら教えてあげる。」
そう言ってるいは、「ん。」と目を閉じて上を向いた。誰これ。
まあキスなんか今となっては余裕だ。俺はあっつ〜いキッスをるいにしてやろう、とベッドの上から「ちゅう」とるいの唇に吸い付く。そしてるいの唇を割って舌を入れ、るいの舌に絡みついた。
「ン、」と声を出するい。変な感じだ。あ、そういや俺からるいに舌を入れることってあまり無い。
俺はそう思うとちょっと興奮して、絡めていた舌を解いてちゅうちゅうとるいの舌を唇で挟んでもぐもぐしたりして、るいの口周りを唾液まみれにさせる。何故かちょっとした優越感に浸った。
「んぁ〜」とるいの唇に吸い付いて、「ちゅっ」「ちゅ」と小刻みにキスをし、舌でベロベロとるいの唇を舐め、んぁ〜」とまたるいの舌に絡みつかせる。
数分間そんな行為を続けていたら、るいの口まわりはべったべたになってた。うける。
「ふう。」と息を吐いてるいの顔から唇を離すと、「はい、良いことありましたー。」とるいが口を開いたから、俺はポカンとした表情でるいを見つめた。
「…へ?」
「今日は久しぶりに航とゆっくりできるなーと思って。ほら、最近放課後ずっと用事あったし。」
「…ほう?」
え、なに?つまり俺と居れることが良いことって言ってる?
「それなのに携帯いじられたらやだしな?」
そう言ってニッと笑ったるいは、俺の携帯を手に持ち、俺の顔の前でゆらゆらと揺らしてきた。
「えぇっ!ちょっとやだぁー!!!るいきゅんったらなにそれ反則ぅぅう!!!!!」
るいの言動により激しくキュンとしてしまった俺は、ベッドの上から勢いよくるいに飛び付いた。
「うわっ」
頭からるいの太ももの上に落ちた俺は、すぐに体勢を整え、るいの方に身体を向けた状態でるいの足の上に座り、正面からるいの首に両腕を回した。
「ン〜ちゅっ」
そしてまたキス。
角度を変えてもっかいキス。
ベロンとるいの唇を舐めてまたキス。
「航犬俺の口ベタベタにしすぎ。」
そんなことを言ってきたから、またキス。
調子に乗ってるいのTシャツの中に手を入れて乳首触ったら「あっこら」と怒られてしまった。なんで俺がやったら怒られんのかな?べつにいいけど。
俺のキスによりベタベタに濡れた口元をしたるいに、俺はとても満足した。
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