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猫ちゃんに首輪 × S&E コラボ小説
※ 未読の方、閲覧にはご注意ください。
【 パンツ買いに行こう! 】
寛人と街中を歩いていると、やたらと仲良さげにくっついて歩いている男2人が、俺たちの前方を歩いていた。
「うわ、すっげえあの2人手繋いでる…」
俺は寛人にそう話しかけながら、まじまじと前方の男2人を見つめる。
俺は寛人と外で手繋ぐなんて、恥ずかしすぎて無理無理。
だから、俺と寛人の間にはちょっとだけ隙間がある。
「俺らも繋いで良いんだぞ?」
けれど、「ほら。」と手を差し出してくる寛人は、街中でも俺と手を繋いでも全然平気そうだけど…
「…いい。恥ずかしいからまた今度。」
前方を歩いている男2人に感化されたみたいで嫌だったから、俺はちょっと手を伸ばしそうになった寛人の手をペシンと叩いて、ズンズンと前へ歩いた。
「チッ。晴のケチー。」
「ケチじゃない!俺と寛人が手ぇ繋いでたら兄弟みたいって前クラスメイトに言われたぞ!兄弟みたいに見えてもいいのか!?」
「んー、まあそれは困るな。別に手ぇ繋ぐのが兄弟みたいに見られるなら腕組むのも有りだぞ?」
「バカ!もっと恥ずかしいだろーが!」
「チッ、晴くんのケチー。」
寛人はどこでも俺とイチャつきたがる。
『ケチー。』とか言いながらも、その俺を見る寛人の表情はとても楽しそうで優しくて、人前なのにだんだん恥ずかしくなってきて照れてしまうから、俺は寛人からそっぽ向いてズンズン先を歩いた。
すると、気付けば前方を歩いていた男2人に追いついてしまった。
背は俺よりちょい高めで、俺と同じくらいの高校生くらいじゃないかと思う。
まじで仲良さそう…
うわあ…恋人繋ぎか。すっご…
その2人を見ているのは俺だけではなく、割と周囲から視線を浴びているように思う。
「晴とっとと先行くなって。はぐれるぞ。」
「はぐれるのは俺じゃなくて寛人な!」
「あーそうそう、晴くんはぐれるからとっとと先に行かないで。」
寛人は俺の発言に、律儀にそう言いかえた。
「…まあ、寛人がはぐれるから手ぇ繋いでやってもいいけど。」
「おっ。まじ?」
そっと寛人の方に片手を差し出せば、寛人は嬉しそうに笑みを浮かべて俺の手に指を絡ませてくる。
それは、この前方を歩く男2人と同じような恋人繋ぎで………
「うわあああやっぱりやめやめ!恥ずかしいからまた今度!!!」
俺は恥ずかしくなってしまって寛人の手を思いきり振り払ってしまった。
大声で叫びながら振り払ったもんだから、その俺の声が前の2人に聞こえたようで、2人は同時に俺の声に反応するように振り返る。
そしてなんと驚くことにその2人は、俺たちが知っている顔だった。
「あ、晴。と桐谷先輩じゃん。」
「うわっ!やたら仲良い2人が居るって思ったら!航くんと矢田先輩じゃん!?」
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