3 [ 99/163 ]
「えぇ?きょうなんようびぃ?きんよう?あしたしごとやすみぃ?」
「うははは!こいつ酔っ払ってますよ!先輩!」
数分後にはやや頬を赤くしながらにこにこ無意味に微笑んでいるりとくんを、雄飛は酒が入っているからかやけに愉快そうにりとくんを指差しながら笑った。
るいは顔に手を当て、「はぁ。」とため息を吐いて、りとくんからハイボールを取り上げる。
「水曜だバカ、明日も仕事あるっつーの。」
やれやれと呆れながら、るいはりとくんから取り上げたハイボールを一気に飲み干す。
「ちょうど良かったわ、雄飛こいつ連れて帰って。」
「えぇ、嫌っすよ。酔っ払いのこいつと一緒に居たら100パー女に絡まれるんで。」
「タクシー代出すから。」
「泊めてやったら?」
「嫌に決まってんだろ。…なぁ?」
るいは雄飛の言葉にそう返事しながら、俺を見た。
いや、『なぁ?』って言われても。
それどういう意味だ?
俺は言っとくけど今日はもうさっさと寝るからな?だから別にりとくんがリビングで朝まで寝てようがどうでもいい。
…とそう思っていたのに、るいの手は俺に伸びてきてやらしい手付きで俺の尻を撫で始める。
「なんかお酒飲んだら航くんとしたくなってきちゃったな。」
るいはそう言いながら、俺の首に腕を回してチュッチュと顔面に口付けてきた。おい、お前もちょっと酔ってんだろ。
そういやるいは飲み会だったから、ちょっとは酒を飲んでいるはずだ。
べたべたくっついてきやがったるいをあっちへ行けと引き離していると、いつのまにか魚肉ソーセージを手に持っていた雄飛がゲラゲラ俺たちを見て笑っている。
「俺気にしないんでどうぞヤっちゃってくださ〜い。」
魚肉ソーセージを食べながら、愉快そうに雄飛はそんな言葉を向けてきた。
いやいや気にするっつーの。
もうお前ら明日仕事なんだからほどほどにしろよ。と思っていたところに、俺のスマホに突然電話がかかってきた。
「は?誰だよこんな時間に…うわ。」
文句を言いながら画面を見ると、そこには【 クソカベ 】と表示されていた。
「なんだよ!!!」
俺はキレ気味に電話に出ると、こいつも酒を飲んでいたのかやたら楽しげな声で話し始めた。
『あ、もしもし航ぅ〜?今モリゾーたちと飲んでんだけど二次会に今からお前んち行っていいかぁ?』
「絶対来んな。」
それだけ言い捨て、俺はクソカベからの通話をさっさと切った。
…はぁ。まだ水曜日だぞ?
なんなんだよこいつらは…。
人ん家をまるで溜まり場のように集まってこようとする奴らに、俺はやれやれと空になった空き缶を片付けながらため息を吐いた。
結局りとくんと雄飛は、リビングで一晩雑魚寝をして過ごした後、風呂まで入って朝方2人で帰って行った。
いやいや、帰ってから風呂入れよ。
…って、言って聞くような奴らじゃないけれど。
結局ここに集まる奴ら おわり
2020.04.02〜09.24
拍手ありがとうございました!
[*prev] [next#]