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「あっもしかしてもうすぐパレードじゃね!?」


場所取りを始めた人々の姿を見て俺は、パレードの存在を思い出した。するとりとくんは「急げ!」と俺の手を引いて走り出す。


いやいやりとくんそんなに慌ててどこ行くんだ!?と思っていると、辿り着いた先はまだ俺たちが乗っていない絶叫系のアトラクションがある建物の前だった。


「パレード前後に人気アトラクションに乗るのは常識だろ。」

「ああ常識だな!!!」


俺は思わずりとくんと肩を組んで、グッと親指を立てた。


「行くか。」

「おう!!!」


薄暗い建物の中には、列が出来ており、この建物の上には乗り場がある。


エレベーターが高スピードで落下するような絶叫系で、俺としては恐怖感を出すための演出の仕方が結構好きなアトラクションだ。


「うわ〜、これにるい乗せてみたい!」

「兄貴乗せたらどうなんの?」

「あいつ多分腰抜かすぞ!」

「うわ、それ見てみたいな。」


きっとるいのびびる姿を見てりとくん爆笑するだろうな。って思ったら、ますますこのアトラクションにるいを乗せたくなってきてしまった。





はい、こちらモニタールームでございます。

とうとう拗ねてしまい、一切モニターテレビを見なくなったるいさんは、不貞寝を始めてしまいました。


『うわ〜、これにるい乗せてみたい!』


そんなことを話す航の声に耳を傾けたわたくしなんと、アフターチケットを用意させていただきました。


矢田さん、矢田 るいさん起きてください。


不貞寝するるいを起こし、「ぁ?」と不機嫌面を見せたるいに、アフターチケットを手渡した。


夕方より入場可能なチケットである。


その入場券を目にしたるいは、飛び跳ねる勢いで目を覚ましたが、るいの悪夢が始まるのはこれからだった。


以上、モニタールームよりお送りしました。





「「うぇ〜い」」


何人か座れる椅子が並んだ小さな空間が、上へ上へ上がり、それからふわりと身体は宙へ浮いたような感覚を味わいながら、落下した。


『キャー!』と叫んでいる乗客たちだが、そんな中俺とりとくんだけ余裕な声を出しながら、アトラクションを楽しんだ。


いつの間にかアトラクション中に撮影された写真を見ると、やたらと満面な笑みを浮かべた俺とりとくんが写っていた。


「あーぬるいぬるい。」

「ぬるぬるだな。」


俺たちからしたらここのアトラクションはぬるすぎた。


「よっしゃもう一周するか。」

「おう。」


ひたすら絶叫系を乗る旅である。


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