お月様と太陽様
ふと思い立ってカーテンを開けてみると、月明かりが私に触れて、なんだか外へと連れ出そうとしているようだった。

なんだか面白そうだったので、たまには連れられてみることにした。
もちろん、お母さんには何も言っていない。お父さんにもだ。

思うがままに連れられてみると、光があふれる場所へ出た。
本当にこんなところがあったんだ。というような感じ。
だって、こんな素敵な場所があるだなんて思いもしなかったんだもの。

来るときはお月様に教えてもらったから、帰り道は太陽様に教えてもらうことにした。
だからそれまで、私はぐっすりと眠りについた。とてもとても、気持ちが良かった。

気がつけば朝になっていて、部屋に帰ってきていた。
ほらね、太陽様が私を帰してくれた。

私とお月様と太陽様の、三人だけの秘密。




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