リサーチ4「きっと、良い誕生日になる」
リリスティアの苦悩(連載中)

リリスティア
「日用品か……ミリアが用意してくれてるから、なんだか懐かしいな」

ジェモリアス
「懐かしいって、何が?」

リリスティア
「伯父上……!」

ジェモリアス
「またその呼び方。ジェモでいいって」

リリスティア
「ですから、そういうわけにはいきません」

ジェモリアス
「寂しいな、そういうの」

リリスティア
「……。伯父上も買い物ですか?」

ジェモリアス
「うん。特に何を買いにきたってわけではないんだけど、珍しいものがあるって聞いたから」

リリスティア
「そうですか……」

ジェモリアス
「リリスティアは? 日用品なんて、わざわざ買わなくてもいいだろう」

リリスティア
「え、ええ。そうなんですけど」

ジェモリアス
「…………もしかして、7日のこと?」

リリスティア
「!!」

ジェモリアス
「すぐ顔に出るなあリリスティアは。政務の時はつんとしてるのに」

リリスティア
「お、伯父上……」

ジェモリアス
「大方、彼に何をあげるのか迷っている……ってとこ?」

リリスティア
「……その、お恥ずかしい話ですが、あまり人に贈り物をしたことがなくて」

ジェモリアス
「そっか。今まで一人で頑張ってきたんだもんな。いいんだよ、恥ずかしがることじゃない」

リリスティア
「伯父上は、ヒルに何をあげるかもう決めたのですか?」

ジェモリアス
「うーん……さっき聞いたところだし……。俺も彼の事は良く分からないから、ちょっと悩んでる」

リリスティア
「皆は、腰飾りや茶の葉、魔道書や剣だと言っていました」

ジェモリアス
「へえ。結構ばらついてるな」

リリスティア
「ばらついているので……私は何をあげればいいか余計に分からなくなってしまって……」

ジェモリアス
「そんなに思い悩んでいるのか?」

リリスティア
「余計なものをあげて、困らせやしないかと不安なんです」

ジェモリアス
「リリスティア……」

リリスティア
「今まで人との付き合いを避けてきた皺寄せが来ているのです」

ジェモリアス
「……大丈夫だよリリスティア。何でもいい、君があげたいと思った物をあげればいいんだ。そうやって悩んで選んだ物なら、喜ばない筈がない」

リリスティア
「伯父上……」

ジェモリアス
「もしヒルが一瞬でも嫌な顔を見せたら俺はすかさず矢をプレゼントするから」

リリスティア
「(伯父上の気遣いが重い……)」

ジェモリアス
「それは冗談だけど」

リリスティア
「真面目な顔で冗談を言うのやめていただけませんか……」

ジェモリアス
「ヒルがお前から何か貰って、喜ばないわけがない。きっと、多くの人にそう言われたんじゃないか?」

リリスティア
「……はい」

ジェモリアス
「ならもう、そんなに悩むな。お前が神妙な顔で市場を歩くもんだから、遠まわしに皆が心配してる」

リリスティア
「あ……っ」

ジェモリアス
「きっと良い誕生日に出来る。お前のその、優しい気持ちがあれば、きっと」

リリスティア
「伯父上……」

ジェモリアス
お兄様って呼んでもいいんだぞリリスティア」

リリスティア
「ありがとうございます伯父上








リリスティア
「(優しい気持ちで……)」




リリスティア
「(………………ヒルの事を想う、優しい気持ちで……)」



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[ヒル誕]


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