リサーチ2「それをあげると幸せになれる」
リリスティアの苦悩(連載中)

リリスティア
「(見て回るのはいいけど……色々ありすぎて分からないな……)」

久世
「お一人で何をしてらっしゃるんですか?」

リリスティア
「!! 久世か……どこからでも現れるわね貴方」

久世
「陛下が一人でうろついていると心配されている方がいらしたので馳せ参じました」

リリスティア
「ルピナスが言ったの? そんなに心配することではないのに」

久世
「ルピナス? …………ああ、はい、そうですね」

リリスティア
「大丈夫だから、久世は本来の仕事に戻ってくれて構わない。私は一人で見て回るから」

久世
「ええー私もヒルさんのプレゼント選びに同行させてくださいよ」

リリスティア
「淡々とした声で言われても……」

久世
「それに、誕生日パーティーのことなら私を同行させて損はないと思いますが」

リリスティア
「……そうか。そういえば事の発端は結苑だったな。グルージス出身の貴方なら、どんなものをあげればいいか詳しいのね?」

久世
「勿論です」

リリスティア
「じゃあ……誕生日のプレゼントは、一般的にはどんなものをあげているの?」

久世
「ふんどしですかね」

リリスティア
「嘘をつくな」

久世
「人を疑ってかかるのはよくありませんよ陛下」

リリスティア
「……、いや違う! 今のは絶対違う筈だ……」

久世
「本当ですって。グルージスでは異性にふんどしをあげると一生幸せになれるというおまじないがありまして

リリスティア
そのおまじないを考えた奴は頭がどうかしている

久世
「チッ……恥じらいながらふんどしをあげる陛下が見れると思ったのですが……。そしたらあの人なら絶対装着するだろうから色々面白いことに……」

リリスティア
「何?」

アメリ
「いい加減になさいな久世。リリスティアさんが困っているでしょう」

リリスティア
「アメリ」

セイレ
「お、リリム。お前も買い物か?」

リリスティア
「姉さんまで……」

久世
「お二人はお買い物ですか? ヒル様の誕生日プレゼントの」

アメリ
「ヒルシュフェルト様の……?」

セイレ
「なんだ? 何の話だ?」







アメリ
「――まあ、そういうことでしたの」

セイレ
「確かにヴァイスには誕生日を毎年祝うなんて習慣ないだろうな。キリがない」

リリスティア
「姉さんたちならまともな意見が聞けそうね……」

久世
「陛下、声に出てますから。私はまだ此処にいますから」

アメリ
「リリスティアさんがあげるものでしたら、あの御方はなんでも喜ぶでしょう」

リリスティア
「さっきルピナスにも同じことを言われた。でも、見当がつかないんだ。ベリーや姉さんなら……何をあげればいいか大体分かるんだけど……」

セイレ
「へえ? じゃあ私の誕生日には何をくれるんだ?」

リリスティア
「新しい種類の武器」

セイレ
「っはは! 間違いない!」

久世
「剣を差し上げるのはいかがですか?」

リリスティア
「ハギリが剣をあげるらしいの」

セイレ
「別に、何振りあっても困らないんじゃないか? 剣なら実用的だろ」

アメリ
「きっと、他とは違う何かをあげたいのですよね?」

リリスティア
「違……! えっと、そういうのではなく……」

久世
「だから申し上げたでしょう。ふんどs

リリスティア
「お前はもしかして誰かにふんどしをあげたことがあるの……」

久世
「ああ、はい。彼に……」

アメリ
「えっ!?」

リリスティア
「か、彼!?」

久世
「昴様に……///」

リリスティア
「……………………弥生殿に怒られなかったのか」

久世
「一緒になって爆笑してましたけど」

アメリ
「お母様ったら……」

セイレ
「まあ、ゆっくり見て回るといいさ。あっちの方には、装飾品が並んでたぞ」

アメリ
「ご自分が貰って嬉しいものを差し上げるのも、ひとつの手ですわよ。頑張って下さいませ」

リリスティア
「ありがとう、姉さん、アメリ」

久世
「さあ、お買い物の続きをしましょうか」

リリスティア
お前は本来の仕事に戻ってくれ



続く→


[ヒル誕]







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