6話
それから寝る時、ご飯を食べる時以外は、この2日じーちゃんの部屋で過ごした俺はやっと天井、床の修繕が終わって一休みにそのまま寝てしまおうとしていた。
うーん、今日はもう働かなくてもいいよね?俺頑張ったんだからこのまm「うっとおしいわぁ!!!!!」…………じゃダメなんだな……うん。
聞こえてきた声にむくりと起き上がった。
これは神様が俺に戦えと言ってるようなタイミングだよ。せっかく眠れそうだったのに、それに微妙に疲れたから戦いたくないんだけど。
俺はよいしょと立ち上がりながらフロアへと向かった。
「………おれは残って戦うぜ、やられっぱなしじゃ腹の虫が収まらねぇ」
「…………おれもだ。ここは俺の働く店なんだ」
そう覚悟を決めたような目をしたパティやコック達に俺は場違いな感覚がしたけれども声をかけた。
「…………で、何が腹の虫が収まらないの?」
「「「おわぁ!!!??」」」
「……………………」
何もそんなに驚かなくてもいいだろう。
少し不満顔になりながら首をかしげたら、サンジ兄にお前どこに行ってたんだ!と聞かれた。心外だな。
「今までずっとじーちゃんの部屋で修復作業に精を出していたんだけど、これはどういう事?何かいっぱい壊れてるんだけど……」
フロアに着いた時に真っ先に見た光景。
イスやテーブルだけじゃなく壁や床にすら傷がついている。これ何ベリーするんだろう……。
「い、いや!アクリ!!!これは俺達がやったわけじゃなくてな!」
「そ、そうだ!アクリ、俺達じゃないぞ!?」
パティとカルネ達は自分の目の前で手をブンブンと振り回した。
そんなに顔色変えて否定しなくても。
本当にあの刑罰は骨の髄に染みてしまったんだな、いいもの作ったな、俺。
「アクリあのな………」
サンジ兄が少し青い顔で今までの事を説明してくれた。ギンにご飯を食べさせた事、そのギンがクリーク海賊団の一員でドン・クリークを連れてきた事、そして、ご飯を食べさせたら恩を仇で返された事。
俺は全て聞き (知ってたけど) ふーんと鼻をならした。
「ぜ、全部俺が悪いんだ、だから刑罰はな……俺だけに……」
「サ、サンジ、おめぇ……」
え、なにこの空気。
俺の回りには人身御供を差し出す時のような空気が満ちた。
……そんなに俺の刑罰は身を切るような思いをするのか?何だかそこはかとなくコック達とサンジ兄の仲が深まったように見えた気がする。
6話