あの体に手を触れたもののうち、≫

ただ愛に身を任せてしまえばいいよ
夜な夜なわたしを抱くあなたの瞳孔に、わたしは映っていない
痛みと悲しみのあいだで揺れる
わたしが傷付いたら、あの人が泣いてくれるかなって思ったの
ちくりと痛んだのは、誰を想ったから?
首筋で紫色になったキスマークと歯型
アプリコットフィズばかりを飲んでいた
真っ黒な感情に身を任せて、めちゃくちゃにしてしまおうかってきみは笑う
ほんとはね、真っ白なままで迎えられたかった
馬鹿げた妄想を、どうしようもない虚しさを、ティッシュにくるんで丸めて捨てた


text by 卯多

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