Last*Lost
07
「私同僚にお前はもう酒を一生飲むなといわれていたんですけど…仕方ありませんね」
ワイングラスをガッと奪ったジャンヌはそれを牛乳が如くゴクゴク飲みだした。
それを始めにワインボトルにも手を出し、一気飲みしだした。
「ちょ、オイオイ!
いくらアルコール濃度低めのやつだからってその量は…ッ!
しかもそれ高いやつじゃねーか! ああもう零れてるしもったいない。」
「………………ふ」
「ん?どしたのジャンヌ」
俯いているジャンヌに声をかけると、ジャンヌは上を向いて口角をあげた。
「ふふ……ふふふふっ……ふはははははは!
あはは!あははははは!
おいフランス酒もっと持って来い!」
「………え?」
呆然としているうちにボトルが空いていく。
ワインがなくなったところで、ジャンヌは動きを止めた。
「………暑い」
「そりゃあ…まぁ酔えば暑いだろうけど…って何で脱いでるの、ちょ、人のことさっき散々言ったのに、ま、まってジャンヌちょまっ俺も着るから!服着るから! だから脱がないのっ、ちょ、ジャンヌーっっっっ!」
必至で取り押さえ、眠いというのでソファーに寝かしつけ、次起きたとき酒乱モードだといけないので棚や奥においていた他の酒もしまい、散らかった床をドタバタと片付けをした。
空のボトルがまだ数本床に残っている状態でフランスは力尽きた。
「も…もう、おにいさんジャンヌにお酒は飲ませない……」
と、ジャンヌが起きた。
「あれ? 私なにして…」
酒乱モードでなくてホッとする。
というかさっきの記憶もないのか…達が悪いな。
そこでジャンヌが視界の端に空のワインボトルをみつけた。
「あっ!あんまり飲んじゃダメって言ったのに!」
いや、それのんだの君なんだけどといっても聞き入れてもらえない。
「もう、フランスさんはもっと自分の体大切にして下さい!約束しましょう、
ほら!」
そう言って小指を出すジャンヌ。フランスは苦笑して自分も小指をだした。
「ゆびきりげんまん、うそついたら針千本突き刺さる♪ 指きった!」
楽しそうに歌うジャンヌ。
何だか自分の知っている指きりと違う気がするが、気にしないことにした。
約束ってその身体大切にするとかいうことか。
けど、守れそうにないって…………どういうことだよ、ジャンヌ!
『私、貴方に会えて本当によかったです。
さようなら、御免なさい、忘れないで、ありがとう。』
手紙はそうまとめられていた。
いても立ってもいられず、俺は家を飛び出した。向かうのは 政府の外交系資料室ーーーーーーー
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