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街は恋人や親子でにぎわう中、私と健太郎先輩は‥

「明日から冬休みに入る。しかし君達は学生、怠けた生活などしないように‥」

長ったらしい校長先生のお話を聞いていました。
(きっと健太郎先輩は爆睡してるんだろうなぁ‥)

今日は終業式。
午前で下校となるが健太郎先輩は部活。
彼女のいない花宮先輩の嫌がらせだと思う。

「霧姫、ごめんね。
せっかく遊びに行く約束してたのに」

「大丈夫ですよ、健太郎先輩!
花宮先輩には今度何かやり返してやりますし‥」

「夕方の練習はサボってくるからあのお店に一緒に行こう。
迎えに行くから待ってて」

「わかりました!
‥これ、お弁当です。練習、頑張ってください!」

すると申し訳無さそうに健太郎先輩は笑った。

「やだ、健太郎先輩。何でそんな顔するんですか」

「いや、だって今日クリスマスだよ?
それなのに恋人らしいこともできなくて‥」

「健太郎先輩。
一日中ずっといることが大切じゃないですよ?
少しだけでも同じ時間を過ごしてもらえるなら私は満足です」

にっこりと先輩を元気つける為に微笑みかける。

私は普通の恋人たちがすることをあまり知らないから気にすることはないのに‥

いつもそう。
健太郎先輩はどこまでも私を甘やかして、大切にしてくれる。

それを実感しているからこそ彼が元気をなくした時には元気つけたいし、甘えてほしい。

私のことで元気をなくすなどもってのほか。

なるべくなら私といる時だけでもずっと楽な気持ちで笑って過ごしてほしい。

「‥可愛いことサラッと言ってのける霧姫は凄いよ」

と私の髪をくしゃっと撫でる。

「‥…頑張ってくるよ。
俺の癒やしの為にも待ってて。
早めにサボってくるから」

いつも見せてくれる笑みで健太郎先輩は体育館へと向かって行った。

さっきから思っていたけど、先輩夕方の練習サボるって言ってた‥…

花宮先輩にバレたら練習量が倍‥…いや、10倍ぐらいになって返ってくるんじゃ‥…?

健太郎先輩、体力大丈夫なの‥…?

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