単純的思考回路



「名前帰るぞ〜」

『…』



……名前の様子がおかしい
いつものように部室に
迎えに行ったのはいいが
あきらかに元気がない


いつもなら帰るぞの言葉から
今日の部活についてとか
話してくれんだけど…


無言で隣を歩く名前は
眉を垂らして
困った顔をしている


「なんかあったのか?」

『…』

「名前さ〜ん?」

『…』



反応なし

もはや自分の世界に入ってるな

それにしても…
名前が元気ないのは
本当にめずらしい



…めずらしすぎてこえーよ




悩みとかならいつも自分から
泣きそうになりながら話して
決して溜め込むような奴じゃない



まさか…!




「おいだいじょ『うがーっ!!』どした?!」



さっきまで黙りこんでたと思えば
今度は叫びだした


なんか荒れてるな…



『どーしよー…』

「だからどうした?」

『あ、エースいたの?』




……さっきからいたよ

お前どんだけ俺のこと
気にしてないんだよ



「で、さっきから何悩んでんだ?」

『いや〜明後日試合でさ…』

「は?」



思いがけない答えに間抜けな声が出た
試合前に悩む奴だったっけ…?


『もう引退だし、緊張してさ…調子あがんなくて』



あははと笑う名前は口だけで笑えていない




「名前」

『な…んっ』


名前を呼ばれてこっちを向いた彼女に不意うちでキスをする


『な…な…!』

「緊張をほぐすまじない」

『ほぐれねーよバカ!』


ばしっと俺を叩く彼女は顔を真っ赤にしていて全然怒っていても怖くない



単純的思考回路

(エース、試合優勝した!)
(俺のおかげかな)
(違うよ実力)
(昨日までの悩み具合はどこいった!)



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ぐっだぐだですいません←
久々すぎてダメでした
試合前に書いて放置してて…←

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