空に
大きな大きな虹が
幾重にも架かる
 
 
 
 
 
重く厚い雲が
光に覆い被さり
まるで涙を思わず零すかのような雨
 
ふいに降り出した雨は
ふいに上がり
洗浄された大気に
雲は割れ
光が顔をだし
たくさんの贈り物が
そこに残される
 
あの虹の麓には
いったい何があるのだろう
 
 
 
あの虹の道に続く階段があって
そこを登れば
光煌めく世界へと
導かれて行くのだろうか
 
平坦穏やかな道が続き
心静かに時間の流れを感じ
心満ち足りて安堵を感じる
そんな世界へ
哀しいくらいに憬れる 
 
 
幾重にも架かるのは
その中から
自分に合う虹を選べばいいということだろうか
同じように見えて
少しづつ違う
麓には同じように階段がついているけれど
それは急だったり
滑らかだったり
 
 
 
どの虹を選ぶかは
各々の器量
だけど
一度選んだ虹
また違う虹へと目指せるように
下界へつながる坂と
次のステップが踏めるように階段がついている
 
例え
まちがった道を歩んでも
もう一度やり直せるように…
 
 
 
 
 
私は下界から
そんな虹の架け橋を見上げ
どれが自分に適しているのか
見極めようと眺めている
じっくりと
ゆったりと
選んで選んで悩みすぎて
いったいどれが自分にあっているのか
段々とわからなくなる
 
 
 
そんな私に
虹はだまってその幾重もの架け橋を存在させる
涙が零れる日が終わるまで
己の進むべき道が
見えて来るまで



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