君と未来を歩む | ナノ




一日れんあい(小)



※「笑顔」の後日談 多分2年生


「ってことで、どうしてもあたしに付き合ってほしいの!」
なんだって女の子はこうも付き合うとかが好きなんだろう。




前に露伴の笑った顔の写真がほしいと言っていた子とは別の子が今日、おれにたのみごとをしに来た。
なんでも学校から近いところにあるちょっと大人っぽいカフェに行ってみたいらしいのだけど、なんだか男の子といっしょに行くとかわいいアイテムがもらえる日があるらしい。
この子絶対それ目当てだな。

『そういうことならおれよりよぉ〜〜、露伴の方が向いてるんじゃあねえのか?』
今は図書館に絵の資料を探しに行っている親友の顔を思い出す。あいつだったら女の子にも人気があるし、目の前のこの子もうれしいんじゃあないんだろうか。

と思ったけれど、女の子はふきげんみたいだ。
「幸彦くんの方が良いのよッ!そもそもろはんくんに直接たのむんだったらあなたの方になんて来ないわ!」
『お、おう』
今この子なんてって言った!そんなに露伴の方が上かよ!ちくしょうおれだってちいとは引きしまった顔してんだろぉ〜ッ!?



でもだぜ、これって人生初のデートのおさそいってやつなんじゃあないの!?
『よし、じゃあ「幸彦、その日は七不思議の聞き込みをするんじゃあなかったか?」』

このいやなタイミング、ちょっとにやついているのが分かるこのセリフ!
『露伴てめえ!』
「と、言うわけで幸彦は僕との先約があるんだ。すまないね」
対・知らない人用の猫被りスマイルを存分に使いながらおれの肩に手を置くそいつは、いつもよりも目の角度がするどい。そしてつかまれた部分に指が食い込んで痛い!そんなにおれが女の子といっしょにいるのがいやなんだろうか。


七不思議なんてでっち上げにもほどがあるのに素直に露伴の言うことを信じた女の子を後に、こいつはおれをぐいぐい押してくる。そんなに押さなくても大丈夫だってのによ〜……







『露伴、さっきのウソだろ』
「ああ?どうして分かったんだい」
教室まで来て肩の手を外す。白々しいやつだ。
『分かるぜぇーそんぐらいよぉ〜。なあ、マジでおれが女の子といるのいやか?』
言わなくても目付きや態度だけで分かる。露伴はおれが女の子といちゃついているのがいやなんだ。でもデートぐらい良いんじゃあないのかって思うんだが。
『何もかもお見通しだぜえ〜、おれの目は露伴くんに対してはよ。

      お前も他の女の子とデートすればいっけんらくちゃくだよな!』
「ハァ!?」
『良いことひらめいちゃったな!心当たりのある女の子何人もいるし総当たりでデート申し込もうぜ!』
今度はおれが露伴のうでをつかんで来た道を戻る。あの女の子はもう帰ってしまったけれど、探す途中で女の子の集団を見つけて無事デートの約束は取り付けられたのだった。


なお、デートをしたのはおれじゃあなく露伴だけである。ちくしょう。






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露伴はデート当日すっぽかそうとしましたが主人公に捕まって無理矢理参加させられました。
相手の子はそこそこ楽しかったそうです。


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