(3/8)


「名前は?」

「沼田 夕貴(ヌマタ ユウキ)」

「ふーん。で、いつから?ストーカー」

「…見ていたのは二年前位から。写真を撮ったのは一年前から。ゴミ袋漁ったのは半年位前から、だと思う」


そんな前からかよ。気づかなかった俺も相当馬鹿だな。最早鈍感な自分に幻滅するわ。


「つか、あんたの容姿なら普通に女にモテんだろ。何で男の俺なんだよ。あんたホモなのか?」


「…違う。俺はホモなんかじゃない。女もいらない。俺はメグミ君だけが好き。」


顔を赤らめて両手を股の間に挟みもじもじしている姿が既にホモっぽいのだが。


「…でも、メグミ君は結構色んな女の子と関係持ってるんだね。メグミ君の精液飲むの好きだけど、…メグミ君が他の子とセックスしてるのは嫌だなぁ。」

「そんなの俺の勝手だろ。あんたには関係ない。」


明からさまに、傷ついたっていう顔をして沼田は俯いた。


「次の質問。あんたは結局何がしたいの。どうゆうつもりなわけ?」


苛立った声で詰問すれば、沼田という男は恐る恐る顔を上げて俺を見つめた。意外に睫毛が長い。


「…俺はメグミ君とどうこうなりたいとは思っていなかった。メグミ君は女の子大好きだし。でも、俺はメグミ君が大好きで、その気持ちを抑える事が出来なかった。…メグミ君を初めて見た時は、漫画の中のヒロインが本から飛び出して来たのかと思った。それ位、衝撃的な可愛さだった…そのキツめな猫目も、白くて透明感がある綺麗な肌も、低めな身長も、くしゃっと崩れる笑顔も、全てが完璧で、俺には非現実的だった。」

「貶されているようにしか聞こえないけど。」

「叶わないのは分かってるけど、願わくば、付き合いたし、俺の肉棒を君の蕾にうずめたいとも思った。」

「あ?」


俺は無意識に沼田の首もとに手をかけていた。


「ひぃっ」

「男の俺に女を重ね合わせた上、果てに俺の穴にお前の愚息を捻じ込むってか?あんたはそんな事をこの俺にさせたいと思ってたのかよ?」

「苦しっ…かはっ…」

「さっきから聞いていれば…ふざけるなよ。あんたの妄想が俺にとってどんなに嫌な事か…思い知らせてやるよ。」

「はぁっ…はぁっ…ちょっ!嫌っ」


沼田が息を整えている間に、奴のジャージに手を掛ける。あっという間に上半身だけ脱がすことに成功した。


「へぇ…綺麗じゃん。」


細身な割りに筋肉はしっかりついていて、中でも胸筋は立派なものだった。俺に真上からまじまじと見られている沼田は、どこかソワソワしていて落ち着きがなかった。


 





戻る

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -