恵みを祀る。 (女顔×ストーカー)




「ハァ…ハァ…っ、メグミ君の使用済み割り箸っ…食べ残しの弁当っ…相変わらずミックスベジタブルは残してんだなぁ…ガムのゴミも大量にあるぅっデザートに食べよ…あっ!!やったぁコンドーム…あぁ中のミルクがたまらんっ」

「おい」


夜中に、意気揚々と俺の捨てたゴミ袋を漁っている奴に声を掛けると、ソイツはピシッと凍り付くように固まっていた。

外灯に向かってバチバチとぶつかっている羽虫がうるさい。


「何してんの」


ソイツは俺に背を向けたまま動こうとしない。


「何してんの、って聞いてるんだけど」


俺の詰問する声に相手は漸くブルブルと震えだした。

何も答えようとしない相手に辟易し、仕方なく先ほど録音したボイスレコーダーを再生させる。


『ハァ…ハァ…っ、メグミ君の使用済み割り箸っ…食べ残しの弁当っ…相変わらずミックスベジタブルは残してんだなぁ…ガムのゴミも大量にあるぅっデザートに食べよ…あっ!!やったぁコンドーム…あぁ中のミルクがたまらんっ』


男は信じられないという顔で漸く振り向き、初めて俺と目を合わせた。


ジャージ姿の男はおおよそ、こんな変態行為をするとは思えないほど、顔は男らしく端正な印象で、黒髪は短く、肌は日に焼けていて、それが一層男臭さを醸して出していた。総じて、女が放って置かなさそうな男だと思った。

ジャージには近くの某大学のロゴが印刷されている。


「あんた、○体大の人?最近、妙に視線感じるからもしかしたらと思ったら…俺のストーカーだろ?ゴミまで漁るなんて気色悪ぃな」

「あ…、ぁ…」

「コレ、警察に提出するけどいい?」


男は顔を青くし、冷や汗をダラダラと垂れ流して、俺を見上げていた。



「そ、それだけは…勘弁して、下さい…」


男は目に薄らと涙を溜めて、声はか細く震えていた。


「あんた何歳?」

「…21。」


その数字に思わず溜め息が漏れてしまう。


「俺より年上の癖にっ…あんた良い年して何してんの?こんな事して恥ずかしくないの?…変態が。」


男は黙ったまま俯いたが、耳が赤くなっていたのは、外灯の光のせいで全く隠せていなかった。


「あんた、家どこ?」

「えっ」

「それ、いい加減離せよ」

「ぎゃっ」


未だに俺の使用済みコンドームを握り締めていた男の手を地面に踏みつけてやった。








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