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周りは驚きが隠せないみたいだ。
次々と転校生に対して嫉妬の声が上がる。
そんな中、生徒会長の二ノ宮 衛が口を開く。
「よぅ、お前か。関が言っていた転校生は。」
転校生は相手を見て石のように固まっていた。
おそらく、超絶な美形が目の前にいるものだから驚いているのだろう。
「え〜、関が可愛い子チャンって言うから期待してたのにぃ!趣味悪ぅ〜…。」
御手洗がその場でうなだれる。
「おぃ、コラァ!いきなり来て悪口いいに来たのかよ!どういう事なんだ、昭一!?」
転校生は見た目に反して威勢が良い。
…しかし、驚いた。
あの王子こと副会長の関 昭一を名前で呼んでいるなんて…
親衛隊ですら許されていない事をあの転校生が許されている。
副会長にとってあの転校生は特別な存在なのだろうか?
「何であのオタッキーがプリンスの名前を呼んでいるの!?」
「ていうかあのマリモ、生徒会の皆様に何て口の利き方!」
「ムカつくぅ〜〜っっ」
口々に聞こえる周りからのジェラシーの声。
「ごめんね、香。皆がどうしても君に会いたいって言うから連れてきたんだよ。」
副会長が困ったように笑う。
「驚いたな。中島や植田まで一緒にいるとは…。お前一体何者なんだ?」
会長が訝しげに転校生聞いた。
中島や植田までいくと、生徒会でも知っているレベルだ。…俺らは所詮三流。
その中島と植田は、生徒会に対して不機嫌なオーラを全開に出している。
「てめぇに言う義理はねーよ。」
そう言ってニヤリと転校生こと“香”は嘲笑した。
…一体お前は何様のつもりなんだコンチクショー。俺には全く関係ないことなんだけど、なんだろ…この胃がムカムカする感じ。
とりあえず、転校生は口が悪い。決定。
それの虜になってる中島や植田に坂上、副会長の気がしれないな。
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