(3/3)




「…悪かった。」


…俺がいけなかったんだ、きっと。


高橋が泣いてる。


俺がここまでさせたんだ。


「…」


俺は馬鹿だ。


「…今からでも、大丈夫か?高橋ん家行くの。」

「…」

「そうだ、夜食作ろうか。だったら買い物に行かない、とな…。」


俺は高橋を泣き止まそうと精一杯だ。


「夜食は俺が作るよ…」

「…」

「…高橋。」

「…作れるのか?」


漸く高橋が口を聞いてくれる。


「目玉焼きとかなら…」

「…そんなの夜食になんねぇよっ」


やっと泣いた顔で笑ってくれた。


俺もその笑顔に吊られて笑った。














「瀬戸」

「ん?」


俺らは高橋ん家に向けて歩き出す。


「…俺は別に…お前を不機嫌にさせたい訳じゃないんだ。」

「…」

「それだけ、知っといてくれ。」

「…」

「俺はお前の事、結構好きなんだよ。」


俺は足元の蟻たちの行く先を見つめる。


「…お前には、そうさせる何かがあるんだぜ?」







俺にも道があるのかもしれない。








戻る

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -