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「ねぇ、これから僕の事を下の名前で呼んでくれないか?」
「はぁ、構いませんが…」
先輩の下の名前って何だっけ?
「ねぇ、右手まだ痛むの?」
「ま、まだ少し…」
俺が右手を労っていると、先輩は俺の右手を取って、そして…キスした。
今度は俺がポカーンとなる番だった。ぶっちゃけ裂綺羅の事なんて忘れていた。
「じゃあね、羽生くん。ここが職員室だから。」
いつの間にか職員室の前に着いていたらしい。
そう言って、先輩はどっかに行った。
…何で男にキスしたんだろ?この学校では手にキスが挨拶なのか?
非常に変わっているが、この学校の風習なら仕方がない。郷に入れば郷に従えだ。
職員室に入ると、茶髪でスーツのホストみたいな人が俺に気づき、俺の方に歩いてきたので俺も近づいた。
「お前が転校生の羽生か?」
「ハイ」
「俺はお前のクラスの担任、宮本 雄大(ミヤモト ユーダイ)だ。現国担当ね。」
何だか見た目は教師らしくないが良さそうな先生だ。
「これから宜しくお願いします、宮本先生。」
風習に従って先生の腕を取り、手の甲にキスをすると、先生は顔を真っ赤にして超高速ストレートを俺の頬にお見舞いした。
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