金欠っ!
金が無い…。
馬鹿だ…庶民が無駄に豪華なこの学園の食堂で好き放題食ってた結果がこの有り様だ…。
この学園のカードキーと呼ばれるものは財布の役割を果たしていて、口座から引き落とされる仕組みになっているのだが、俺の口座には後二千円位しかない。
来月まで親から俺の口座に振り込まれる事はない。
馬鹿だ…俺はなんてアホなんだ…っ!!
反省はしていても腹は空くもので、学園内にあるスーパーで残り二千円分をインスタントラーメンに注ぎ込んだ。
料理なんて全く出来ないし、第一材料費が馬鹿にならん。
これは我ながらかなり良い策だと、この時俺は確かに思っていた。
◆◇◆
「…おぃ。」
もう何日目になるだろうか。朝も昼も夜もインスタントラーメンを食っていたら奈良崎に声をかけられた。
ちなみに、俺は掃除や片付けを全くしないので、インスタントラーメンを作った後のゴミやら後始末を、文句を言いつつ全て奈良崎がやってくれる。
「…何だ。」
「いつまでそんなモン食い続けるつもりだ?」
何かの修行か?と、コイツはアホな事を聞いてくる。
「今月までだ。」
「はっ!?」
「具なしは辛いなぁ〜…。」
俺が呑気に唸っていると、怒声にも似た声が上から降ってきた。
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