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俺らが廊下を通ると、廊下にいた男どもが一斉に沸き立った。
「キャーッ!ミッチー&トラジだ!」
「麗しい〜…。」
「抱いてぇーっ」
「はぁ?君たち低レベル過ぎ。あんなのDクラス行けばいつでも見れるじゃんっ」
「そうそう衛様たちと比べたらただの凡人じゃん!」
「あぁん?お前ら自分の顔を鏡で見てから発言しろや。」
「んだと、このブスッ!」
あーあ、今日も信者とアンチが揉めてるよ。
どうやら俺らに対しての評価は賛否両論らしい。
「俺らの為に揉めるなんて…参っちゃうな〜っ」
なぁ永井!と俺の肩にポンと置く手を振り払った。
階段を上がった後、トイレに行くにはBクラスとAクラスの前を通って行かなければならない。
「そういえば、Bクラスに転校生がきたらしいぞ」
「え、まじで?どいつ?」
山田がBクラスを覗きながら言うから、俺も続いて覗いてみる。普段は自分からBクラスなんかには近寄ろうともしないのだが、好奇心にはやはり勝てない。
「確か〜…あ、いたいた。」
アイツ、と山田が指を差した方を見るとオタクがいた。
「…なんじゃありゃ。べんぞーさんかよ。」
…とにかく突っ込み所が満載。
だって、普通にド○キに売ってるカツラとパーティー用のメガネじゃん、アレ。
「あの転入生、あの容貌が話題を呼んでるんだよ。」
どうやら、学園内では既に話題になっているらしい。
「俺は可愛い子しか興味ないからパスだけど〜」
山田は少しも興味がないようだ。
「…だけど、アイツの周りやたら美形が多くねーか?」
「あ、マジだ。中島と植田に、なぜか知らんが一匹狼と謳われる坂上までいる…。」
「異色のコラボだな。」
俺も、あの転入生の周りを取り巻いている人物たちには正直驚いた。
Bクラスからは転入生に対する不満の声があちこちから聞こえる。
「何アイツ、オタクのくせして中島君と近すぎぃ〜」
「僕の植田様が汚れる!」
「あの坂上君が…アイツどうやって近づいたんだ?」
転入生に嫉妬の眼差しが集中的に注がれていた。
気づかないもんかねぇ。
「あーあ、アイツ1日でクラスメイトを敵に回したな。」
山田は何だか凄く楽しそうだ。
「…行こうぜ。こいつらに見つかったら厄介だ。」
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