(2/4)




「だっ誰だ、お前っ!?」

「どっから入って来やがった!?」


「…そんなことより、俺も参加させてよ退屈してたんだ。」


ヘラっと害の無い顔で笑う。


「…チッ、仕方ねぇ。お前みたいなのがヤれんのか?」

「まぁ、いいだろ。おい、お前!一番最初にヤりたくないか?お前に譲ってやるよ。」





一番最初はヤりたくないって事か。

…度胸の無い奴らだ。

弱気な奴は最初から人なんか襲うもんじゃねぇな。




「…サンキュー、先輩方。」


俺は暢気に笑って部長さんに近付いた。


部長の上に被さっていた奴を片手でどかし、部長の上に被さり手首を強めに押さえると、部長は俺の押さえつける力の痛みに眉をひそめた。


「いっ、痛いっ!!痛いっ」


全裸の部長が俺の下で激しく暴れ出す。


「…あ”ぁーっ、面倒くせーなっ。暴れんじゃねぇよ、このブタがぁっっ!!」


俺は部長さんの頬を思っくそ力を込めて張り手した。



その音は、パシーンッッと静閑とした道場内に綺麗に響いた。



喜々として俺らを見ていた連中もシー…ンと静まり返る。


部長さんはというと、暫くの叩かれた頬の痛みに放心していたが、次第にガクガクと震えだした。

顔は既に汗と涙でぐちょぐちょ。



「次騒いだら、アンタの大事な部分潰すからな。」


その言葉に部長さんは顔を青くして、コクコクと頷く。


最早、部長さんの目は生気を帯びていない。




「…おいっ、暴力は止めろよ。」


背後から静かになっていた連中が声を発する。


「俺ら、そこまで部長にする気はねぇんだよっ!!」

「は?先輩、寝ぼけてんの?俺らがこれからこの人にする事だって立派な暴力っしょ。」

「う、うるさいっ!!お前に俺たちの気持ちが分かるかっ!!」


先輩達は悲痛…とでも言いたいような顔をしている。


「自分達の行為を正当化するんじゃねーよ。…何?アンタら、この部長さんに恋でもしてるっての?くだらねぇっ。そんな甘い事言ってっと、俺アンタらもヤっちゃうよ?」


ヘラっと笑う。


「…お前は、人を好きになった事がねぇんだっ。ぶっ壊れてやがる。」


行こうぜ、と連中のリーダーらしき奴が周りの2人に声を掛けて道場を後にした。




随分あっさりとしたものだな…。










道場には俺と部長さんだけになった。


部長さんは俺と目が合うと歯をガタガタと震えさす。



「…余計なお世話だよな?好きでなくたってヤりたかったらヤれるもんなんだよ。」

「ヒッ…」


部長さんの肌に触れると、恐怖の悲鳴が下から漏れた。


「………ほら、起きろよ。」


俺が部長さんからどくと、部長さんは凄く驚いていた。


だけど、部長さんはまだ体をブルブルと震わせている。


「…助けてやったんだ。その態度じゃ、まるで俺がヤッたみてーだろがっ」


部長さんはその言葉を聞くと、漸く体の震えが止まった。


「あっ、…ありが、とっ」


部長さんは安堵の笑みを浮かべた。


「まぁ…複数にレイプされるよりか、顔に一発で済む方がいいだろ?」

「…うん。」


 





戻る

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -