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「だっ誰だ、お前っ!?」
「どっから入って来やがった!?」
「…そんなことより、俺も参加させてよ退屈してたんだ。」
ヘラっと害の無い顔で笑う。
「…チッ、仕方ねぇ。お前みたいなのがヤれんのか?」
「まぁ、いいだろ。おい、お前!一番最初にヤりたくないか?お前に譲ってやるよ。」
一番最初はヤりたくないって事か。
…度胸の無い奴らだ。
弱気な奴は最初から人なんか襲うもんじゃねぇな。
「…サンキュー、先輩方。」
俺は暢気に笑って部長さんに近付いた。
部長の上に被さっていた奴を片手でどかし、部長の上に被さり手首を強めに押さえると、部長は俺の押さえつける力の痛みに眉をひそめた。
「いっ、痛いっ!!痛いっ」
全裸の部長が俺の下で激しく暴れ出す。
「…あ”ぁーっ、面倒くせーなっ。暴れんじゃねぇよ、このブタがぁっっ!!」
俺は部長さんの頬を思っくそ力を込めて張り手した。
その音は、パシーンッッと静閑とした道場内に綺麗に響いた。
喜々として俺らを見ていた連中もシー…ンと静まり返る。
部長さんはというと、暫くの叩かれた頬の痛みに放心していたが、次第にガクガクと震えだした。
顔は既に汗と涙でぐちょぐちょ。
「次騒いだら、アンタの大事な部分潰すからな。」
その言葉に部長さんは顔を青くして、コクコクと頷く。
最早、部長さんの目は生気を帯びていない。
「…おいっ、暴力は止めろよ。」
背後から静かになっていた連中が声を発する。
「俺ら、そこまで部長にする気はねぇんだよっ!!」
「は?先輩、寝ぼけてんの?俺らがこれからこの人にする事だって立派な暴力っしょ。」
「う、うるさいっ!!お前に俺たちの気持ちが分かるかっ!!」
先輩達は悲痛…とでも言いたいような顔をしている。
「自分達の行為を正当化するんじゃねーよ。…何?アンタら、この部長さんに恋でもしてるっての?くだらねぇっ。そんな甘い事言ってっと、俺アンタらもヤっちゃうよ?」
ヘラっと笑う。
「…お前は、人を好きになった事がねぇんだっ。ぶっ壊れてやがる。」
行こうぜ、と連中のリーダーらしき奴が周りの2人に声を掛けて道場を後にした。
随分あっさりとしたものだな…。
道場には俺と部長さんだけになった。
部長さんは俺と目が合うと歯をガタガタと震えさす。
「…余計なお世話だよな?好きでなくたってヤりたかったらヤれるもんなんだよ。」
「ヒッ…」
部長さんの肌に触れると、恐怖の悲鳴が下から漏れた。
「………ほら、起きろよ。」
俺が部長さんからどくと、部長さんは凄く驚いていた。
だけど、部長さんはまだ体をブルブルと震わせている。
「…助けてやったんだ。その態度じゃ、まるで俺がヤッたみてーだろがっ」
部長さんはその言葉を聞くと、漸く体の震えが止まった。
「あっ、…ありが、とっ」
部長さんは安堵の笑みを浮かべた。
「まぁ…複数にレイプされるよりか、顔に一発で済む方がいいだろ?」
「…うん。」
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