学園っ!
進藤可奈女もとい、進藤要。
いざ参るっ。
私立尊那門学園の重い豪華な扉を目の前に俺は大きく意気込んだ。
あれから、葉子にこれでもかって位に男同士の知識を学ばされた。あれは最早拷問に近い。
元々レズだった俺はホモに偏見はない。
しかしだ、男に戻された俺は今では完全なノーマル。誰が好き好んで同じ男に恋なんかするか。俺は昔から女の子が大好きなんだ。
葉子から学ばされた知識を披露する事はないだろう。
ちゃっかり、学園内で起こった事を随時報告を義務付けられてしまったが。
向井が知ったら泣くな。
俺は学園内を暫し散歩しながら、ぼんやりとしていた。
…今頃は、ハーレムだったのになぁ。
急に男になっちまって…勝手過ぎるよな。
こんな所に三年間もいるなんて。
正に天国と地獄。
アッシュめ、こんな理不尽なことがあるかよ。
決めた。アッシュの言うとおり、とことん楽しんでやろーじゃないの。今までの分を取り戻すつもりでな。
ぼちぼち歩いて居ると、ちらほら人がいる事に気づく。
俺は極力気づかないふりを続けていたが、…無理だ。
時折、野郎共のくぐもった声が聞こえる。
最悪だ…昼間っから青姦してんじゃねーよクソがっ。しかし、寮はどこだぁ…?絶対に場所違うよな…なんか体育館と道場があるし。
引き返そうとした時、道場から大きな叫び声が聞こえた。
…何だ?
道場の扉を開いてみるが、鍵が掛かっていて開かない。
これは、只ならぬ雰囲気だ。
中から「止めてくれっ!」と叫び声が止まない。
俺は道場内に入れる所を探す。
…裏口があった。
誰も裏口には警戒していないようだ。
難なく裏口から侵入する事が出来たが、道場内の光景を見て唖然とした。
大きな男が複数によって裸に剥かれている。
「頼むっ…もう止めてくれっ」
「部長ぉ〜、こんなに楽しいのに止められる訳ないっしょー?」
「部長の筋肉ヤベェ」
「あぁ…部長っ俺の部長っ」
男の1人が部長さんに覆い被さる。
部長さんは「い、いやだっ…」と、ついに泣き出してしまった。
…しかし、誰も俺が入って来た事に気づかないとは。すっかり部長さんに夢中らしい。
相手は3人。
………面倒だが、助けてやるか。
「あのー、俺も参加していいですかーっ」
大声で呼びかけると、部長さんに群がっていた連中がビクりと肩を揺らし、一斉に振り返った。
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