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※月島高2設定





月島先輩が振られたと聞いて飛んで行くと、人の顔を見るなりげんなりされた。

「先輩」

「今日は花田の告白を聞いてあげる余裕無いからまた今度にしてくれる」

会う度に好きです、彼女にしてくださいと挨拶代わりに言っていたのが裏目に出たのか、さっさとその場を立ち去ろうとするので呼び止める為に振られちゃったからですか?と言うと彼の足が止まる。

「知ってるんだ」

「先輩が泣いてたら可愛いなと思って」

「面白がって見に来た訳?いい趣味してるね君も」

無表情、無感情に見えるけどいつも先輩を見ていたからわかる。すごく、辛そうだ。

月島先輩の彼女さんは他にもっと好きな人が出来てしまって、いつ先輩に別れを切り出そうか迷っていると噂を聞いたのが先週末。

私は性格が悪いから、さっさと振られろ別れちまえなんて思ってた。ラッキーとかそんな風にも。でも月島先輩のこんな表情を見てしまったら、そんな風に思っていた自分を気絶する程殴ってやりたい。

両手を広げて先輩の前に立つと何?と怪訝な顔。

「どーぞ。泣きたかったら胸貸します。よしよししてあげますよ」

「そんな有るんだか無いんだかわかんない胸なんてやだよ」

「セクハラ!」

「どっちが」

振られたくせに通常運転な先輩にイライラしつつ、もっとメソメソしてたら可愛いのになと思う。一人になったら泣いちゃうのかな?そんな月島先輩も絵になりすぎて好きだけど。

「今なら特典で私のファーストキス付きです」

「そういうのは大事にとっておきなよ」

君だって一応女の子デショと言われて、先輩の中で女として分類されていた事にホッとする。

「大事なものをあげれる位に先輩が好きなので大丈夫です!傷心中に付け込ませてください!」

月島先輩は今日一番の笑顔を見せて、そんな堂々とした付け込み方ある?とお腹を抱えて笑ってくれた。

「花田ってほんとバカだね」

まだ辛そうには見えるけど、先輩が笑ってくれてるならいいやと私も笑った。







20141020
mae ato
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