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学園すいっち1-2
「なぁ…何で璃宮あんな不機嫌なんだよ」
怖くて近寄れねーんだけど(汗)
嘆く三好を尻目に、しかし、快は別の方向のある一点を凝視したまま固まっていた。
(なんで…)
確かに今まで他の学年やクラスと授業が重なることは多々あった。(この学園の実権を握っている理事長が生徒同士の交流云々を推奨しているため、業と組み合わせたりするのだが)でもこのタイミングでの遭遇はあんまりだと快は泣きそうになりながらその一点、………麗しの生徒会副会長様を見つめた。
「快?…あぁ、快もあーゆうのが好みなん?でもやめとけよ、生徒会長サマは男女問わずライバル、ハンパないらしいから」
モテる男は羨ましいねぇ〜とギャラリー(女子棟の教室窓からの歓声等)を眺めて、三好がしみじみとした感じで呟く。
眉目秀麗で成績優秀と誉れ高い、…らしい、確かにモテそうだけど、裏で囁かれているあの黒い噂とか、あの俺様な性格はどうかと…。
「オレサマ?御子柴先輩は温厚で性格超やさしいって、有名だぞ?」
黒い噂なんてとんでもない!
驚く三好に、それでも食い下がるように快のサトラレは続く。
でもでも、なんかいかにも遊んでそうな感じがしたし、あ、そぅいえば煙草の臭い?見たいなのもしたような……何よりい、いきなりキ、キ………
「「き?」」
「Σぅわ、璃宮いきなり背後で喋るなよ!!」
びっくりするだろ!と喚く三好には目もくれず、今まで会話(?)に加わらなかった璃宮がどこか動揺した様子の快に詰め寄る。
「快、き、何?」
三好を押しのけるようにして璃宮が快の顔を覗き込む。その瞳は何時になく真剣だった。
「ど、どうしたの?璃宮、なんかコワイよ…?」
「快、お尻のアレ…アイツにやられたの?」
お尻…ぇ?おし、おしおしおし…………
…………………バレた。
真っ青になる快を目の当たりにして、璃宮の表情が怒りに染まる。
『御子柴笑太ーーー!!!』
殺す!!と息巻いて走っていく璃宮を見つめて快は呆然、しかし頭の中は尋常じゃなくパニクっていた。
(どうしよう、璃宮にバレちゃった…見られちゃった…それにここここころすって待ってよだめだよ璃宮がそんなことしちゃそれになによりっっ)
「『みこしばしょうた』ってダレデスカ?!」
「へ?」
泣きが入ってきた快の叫びに三好の間の抜けた声が重なる。
そして遠くには上級生の群れに飛び込む璃宮の姿が。
「ま、まってっっ(泣)」
「ちょっ…ばっ……ああもぅ!二人共落ち着けってーーー!!」
訳もわからず追いかける羽目になる三好だった。
3へ続く
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