先程からとても大きい爆音と共に人々の騒ぎ声がする。
ギョンコルド広場に着いた様だ。
見えるには見えるが、座っているせいかあまりよく見えない。
「うわあ…」
なんか近くには大きくてとても可愛い人魚(しらほし姫かな?)さんがいるし、サンジさんは空飛んでるし、なんかでかい足が生えている…。
「うーん…カオス…」
なんかもうすごいとしか言いようがない。
シャボンディ諸島で少しだけ調べたが、流石麦わらの一味だ。
「あ、スルメ…」
座っていてもあれだけ大きければとてもよく見える。
敵だったのかあの子…ってあれ?なんかこっちに来たんだけど…
「いいかスルメ!お前はよわほしをここで守るんだ!!
後サニーに乗ってるナマエも頼む!!」
「えー…」
だ、大丈夫なんだけどなぁ…
まあ、戦い方を知らない子供がうろうろされても困るだろう。
私ここから動かない様にしないと…いや動くつもりもなかったけど…
すると遠くの方で何やら叫んでいる声が聞こえた。
「クラーケン!ーよくぞしらほしを捕まえた!!そのまま握り潰せ!」
何…だとっ!?
誰だそんなアホな事抜かす奴は…!!
ってあれ首謀者のホーディ・ジョーンズじゃん…
「うぉっ…!」
何やらスルメが動き出したせいか、船も大きく揺れる。
反動で前へと放り投げ出される形になり、ごちんっ!と大きな音を立てて私は見事に塀に頭を打った。
「うぉぉ…」
いっ、たいぞこれは…
ひいひい言いながら頭を抑える。
おでこの少し上ら辺をぶつけた様だ。
「た、たんこぶができてる…!」
痛みに悶えていると、頭上に大きな影ができる。
何事かと思った私は涙目になりながら上を見上げた。
「うわぁ…」
それは、とても大きな大きな船だった。
魚人島よりは小さいが、あれが落ちてきたら確実に魚人島は潰れる。
船はここに落ちてくる様に見えたが、次第に横に逸れていった。
「あ、また上に上がってく。」
一体どう言う仕組みなのだろうか?
「はあ、たんこぶ痛い…」
最早そんなことよりたんこぶが痛すぎる…。
痛みを紛らわそうと、私は持ってきた荷物の中から本を取り出した。
「うわっ、やっぱりぬれてる…いや読めないこともないか。」
いけるいける。
濡れてはいるが、湿ってるぐらい…の酷いバージョンだから頑張ればいける。
「読んでたらたぶん、このたたかいもおわるでしょう。」
そうして私は本の中へと旅に出た。
「ーー魚人島は救われました!!!」
「…ん?」
本から顔をあげた私は、あたりを見回した。
周りは歓声で埋め尽くされており、笑っている者もいれば泣いてる者もいる。
「おわったみたい…」
私はようやく立ち上がり、改めてあたりを見回した。
麦わらの一味はサニー号の近くに集まっており、何やら騒いでいる。
「おれの仲間になれよ!!」
どうやら、ルフィさんが誰かを麦わらの一味に勧誘している。
何だか無事に色々終わった様だ。
「よかった、と言いたいところだけど、私はまだなにもさがせていない…」
でもあの時、ゾロさんの刀を触って何か分かる気がした。
もう一度、触れば思い出すのだろうか?
「後で、たのんでみようかな…。」
断られそうだけど、私には今それくらいしか手がかりがない。
無理にでもお願いして、数分でもいいから触らせてもらえないだろうか。
「だめなら、ブルックさんかなぁ…」
刀で何でもいいならブルックさんにもお願いしてみよう。
「はやく、わかるといいなぁ…。」