雲雀恭弥

「雲雀恭弥…面白ぇーな」

『今度はだれ?』

黒スーツの赤ん坊と一人の美少女。
ボンゴレ10代目の家庭教師リボーンと、学校中で話題になっている水無月姫菜だ。

『雲雀恭弥…並盛中風紀委員長でありながら不良の頂点に君臨する…通称“ヒバリ”』

「流石、プリマヴェーラファミリー9代目の一人娘だな」

リボーンの言葉に姫菜は特に気にした様子もなく続ける。

『彼もファミリーに入れるつもり?』

「もちろんだ」

『大丈夫?』

「心配いらねぇよ」

『だといいけど…』

心配そうな姫菜をよそにリボーンは上機嫌だった。

---------------------------------------
◇ツナ視点

「ファミリーのアジトを作るぞ」

「はぁ!?」

いきなりのことで開いた口がふさがらない。
リボーンのやつ、急に何言ってんだよ…。

「へー、秘密基地か」

「子供かおめーは!!」

『面白そうだね〜♪』

山本に獄寺、姫菜ちゃんまで…
ん…?

「姫菜ちゃん!?なんでここに!?」

「オレが呼んだぞ。姫菜もファミリーの一員だからな」

「オッス!!、姫菜!!」

「よぉ…」

無茶苦茶だよ、リボーン!!
この前姫菜ちゃんに危ないことさせたんだから、これ以上巻き込むわけにはいかないよー!!!

「言っとくが、ツナ。姫菜は今ここにいる中で一番強ぇぞ」

「はぁ!?何言ってんだよ、リボーン!!」

姫菜ちゃんごめんね…と謝ると姫菜はにっこり笑った。

『大丈夫だよ♪それよりアジトってどうするの??』

「そうッスよ!!ファミリーにアジトは絶対必要ッス!!」

「決まりだな」

って…何勝手に決めてんの〜〜〜!?
冗談じゃないよーっ!!マフィアっぽくアジトなんて!!!

「…で、どこに作るんだ?裏山か?」

「なわけねーだろ!!」

「学校の応接室だ」

「「「『!?』」」」

「応接室はほとんど使われねーんだ。家具も見晴らしもいいし、立地条件は最高だぞ」

「へぇ〜♪」

へぇ〜…って納得しないで、姫菜ちゃん!!

「じゃあ、まずは机の配置変えからだな」

「オレ、10代目から見て右手な」

『私はどこにすればいい?』

「じゃあ、姫菜はオレの隣にすっか??」

『うん♪』

なんて会話をしながらすでに応接室へ向かっている3人。

「(ま、まじで〜!?)」

オレはため息をつくた…、がその時ふと思った。

「ねぇねぇ、獄寺君」

「なんでしょう、10代目」

「姫菜ちゃんのことなんだけど…」

彼女は学校で有名だった。
確かに彼女は容姿も性格もいい。
その一方で成績優秀で運動神経も抜群だとの噂がある。
でも、ツナはこの前の動きなどを見てもちょっと普通ではないと感じていた。

「実はオレも同じことを考えていました」

「やっぱり!?」

「はい。この前の身のこなし…あれは一般人の動きじゃないッス」

「姫菜は一般人なんかじゃないぞ」

声がして振り返るとリボーンがいた。

「さっき言っただろ、姫菜は強ぇ。マフィアとしての実力も獄寺よりずっと上だ」

「なぁ!?」

「獄寺君よりも!?」

「そうだぞ。まぁいずれわかるだろ」

「オレは納得できません!!リボーンさん!!」

「ま、まぁまぁ、獄寺君…」

「おーい、早く行こうぜ!!」

『ツナ〜!!獄寺君!!行くよ〜!!』

姫菜ちゃんと山本の声がした。

「あっ、うん。今行くよ!!」

2人の声にオレと獄寺君は急いで応接室に向かった。

---------------------------------------
◇山本視点

「へぇ〜、こんないい部屋があるとはね」

オレは応接室のドアをあけるとなかに入った、すると…

「君、誰?」

先客がいた。
オレより少し長めの黒い髪、切れ長の鋭い瞳。

「(こいつは…ヒバリ!!)」

「なんだ、あいつ?」

「獄寺、待て…」

「風紀委員の前ではタバコは消してくれる?ま、どちらにせよただでは帰さないけど」

「んだと、てめ!!」

ビュッ!!

「消せ」

一瞬だった。
なにかが獄寺のタバコをかすめた。

「なんだこいつ!!」

バッと獄寺が後ろに下がる。

「(聞いたことがある…ヒバリは気に入らねー奴がいると相手が誰だろうと、仕込みトンファーでめった打ちにするって)」

「僕は弱くて群れる草食動物が嫌いだ。視界に入ると…咬み殺したくなる」

雲雀の瞳が鋭く光る。

「((ゾクッ)こいつ…!!)」

「(やっかいなのにつかまったぞ…!!)」

山本、獄寺、雲雀の間に険悪な空気が流れる。そこへ…

「へ〜初めて入るよ、応接室なんて」

「そうだね〜♪」

遅れて、ツナと姫菜が入ってくる。

「待て、ツナ!!姫菜!!」

「え?」

「1匹」

ガッ!!! ドザァッ!!!

---------------------------------------
ヒロイン視点

応接室に入った瞬間、殺気を感じた。
そしてツナが廊下までとばされていた。

『ツナ!!!』

何、今の…
奥にはトンファーを構えた黒髪の少年。
間違いない…雲雀恭弥だ。

「のやろぉ!!!」

獄寺君が雲雀恭弥に向かっていく。

「2匹」

ガッ!!!

『獄寺君!!!』

「てめぇ…!!!」

チャキ…ン
ビュッビュッビュッ!!!

山本君は雲雀恭弥の攻撃をギリギリの所で避けていく。

『武!!』

私は加勢しようと前に出ようとする…

「姫菜!!!下がってろ!!!」

山本の切羽詰まった声に足を止める。
すると雲雀恭弥が口を開く。

「仲間のことを心配する余裕があるんだ?」

雲雀恭弥は不敵な笑みを浮かべる。

「ケガでもしたのかい?右手をかばってる」

「!!!」

「当たり」

ドッ!!! ドザァッ!!!

「3匹」

『武!!!』

ツナに獄寺君、武までやられちゃうなんて…。

「最後は君だよ。大丈夫、救急車は呼んであげるから」

『その必要はないです』

本当はこんなことしたくない…
唇を噛みしめ、目をつぶる。
ゆっくり深呼吸をして、私の相棒を取り出す。

「行くよ」

---------------------------------------
◇ツナ視点

「いっててて…」

激しい激痛で目が覚める。
すると…

「山本!!!獄寺君!!!な、なんで!?」

何があったの??
そうだ!!!姫菜ちゃんは!!?

「ツナ、あれを見ろ」

「リ、リボーン!!そんなことより姫菜ちゃんが…」

え…?
リボーンが指差した方を見ると姫菜ちゃんが黒髪の人と戦っていた。

「姫菜ちゃん!!!」

姫菜ちゃんの手にはリング状のナイフのようなものが握られていた。

「あれは…?」

「カッターリングと言ってな、姫菜の武器だぞ」

「なんで姫菜ちゃんがそんなもの…?」

「姫菜はイタリアのプリマヴェーラファミリー9代目ボスの一人娘。漆黒の髪と瞳、そして舞うように戦う姿から“漆黒の姫” “ブラック・プリンセス”とも呼ばれている」

キィ…ン

姫菜ちゃんが黒髪の人の攻撃を受け止める。

「ワォ…すばらしいね、君」

『…ありがと』

確かに姫菜ちゃんなんだけど…なんだろう…いつもと違う…。

「姫菜はもともと争いを好まないからな。普段は優しくて明るいが、戦闘中はクールで無口だ」

「そんな…」

姫菜ちゃんがマフィアだなんて…。
信じたくないけど、目の前には舞うように攻撃を避けたり、受け止める姫菜ちゃんがいる。
そのどこか美しく、品がある動きからオレは目が離せなかった。

「姫菜のやつ、力の3分の1も出してねぇな」

えぇ…!!?
3分の1も出してないの!!?

「アイツは自分から一度も攻撃してねぇ」

「そうなの!?」

「姫菜。そこまでだ」

姫菜ちゃんはコクンと頷くとオレの所まで下がる。

「おひらきだぞ」

リボーンが取り出したのは…バクダン!!?

ヂヂヂヂ…ドカァン!!!

---------------------------------------
「あいつにわざと会わせたぁ!!?」

「キケンな賭けだったけどな。打撲と擦り傷ですんだのは姫菜のおかげだぞ」

『そんなことないよ』

姫菜ちゃんは山本と獄寺君の手当てをしながらにっこり笑う。
さっきとは違ういつもの姫菜ちゃんだ。
リボーンはまだお前達が平和ボケしないがどうたら言ってる。

「あぁっ!!てかどうしてくれんだよ!!オレあの人にぜってー目ぇつけられたよ!!」

うわぁぁと頭を抱えるオレ。
まーまーとオレをなだめる山本。
次はぶっ飛ばします!!と意気込む獄寺君。
それを見てクスクス笑う姫菜ちゃん。

「おい、姫菜」

『…?』

「ヒバリをどう思う?」

『一筋縄ではいかないと思うけど…味方だと安心よね』

「ああ。ヒバリは将来必ず役に立つ男だぞ」


〜オマケ〜

その頃、応接室。
机に生徒名簿をひろげ、窓から空を見る雲雀。

「水無月姫菜…か…」

フッと微笑むとつぶやく。

「また会いたいな…」



〜あとがき〜
視点がコロコロ変わってしまって…だらだらと長くなってしまって…本当申し訳ないです(:_;)
ついに雲雀さんとーじょー!!!
ヒロインちゃんの武器が登場しました!!!
みんな、かっこいいッス!!
原作沿いって難しいな…難しいよ…
お次は由詩様でさぁ


[ 5/9 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -