瓶が転がる

昨日はバイトの説明会だった。ちょっと早めに寝たのと(生活リズムが狂っているせいで2時間程眠れなかった)、生理が来たために食欲がなくご飯を食べる必要がなかったのとで、身支度に割ける時間がいつもより多い朝だった(昼かもしれない)。

ツーブロックにしていた髪が伸びてきてかっこ悪いので、耳の横だけ編み込みをした。いつもより上手に出来て嬉しかった。生理のため肌も荒れていて化粧ノリも悪かったけれど時間が経つと同時に馴染んでくれた。よかった。

家に帰ってきてからは掃除しなきゃ行けない気がして、掃除した。最近は荒れに荒れていて、洗面台も詰まり、お風呂の水も貯めたままで、食器も山積みで、生ゴミも放置されていてとても酷い状態だった。酷い状態で暮らしにくいにも関わらず、ここまで酷いとどこから手を付けていいのかも解らず、全てに目を背けて鬱々と布団に潜った。

しかし今日はすごい嫌だけど何故か片付けないと気が済まなくなってすごい勢いで黙々と掃除した。そんな時に好きな人から連絡が来た。この後家に行ってもいいかと言う。真っ青になって片付けのスピードを上げた。
それでも、まるで予知したみたいに片付け始めた自分がちょっとすごくて嬉しくなった。前からお風呂入らなきゃ、布団洗わなきゃ、といつもならグダグダして後回しにするような事をしなくちゃ行けない気になる時は大体その後に好きな人が来る。アンテナで何かを受信したように勘が冴える。

今日はちょっとずつ嬉しい事があって、なんだか幸せだし、やっぱり好きだなぁと思っていると、仲の良い先輩に呼び出された。この春卒業する先輩と飲んでるといい、好きな人もそっちに呼ばれたらしく私も誘われた。
人数もやや多めだったので、席は離れており、話すこともなかったけれど、顔はよく見える席だったので、顔を赤くしながらにこにこくだらない話をする好きな人が可愛くて、やっぱり好きだなぁとまた実感した(ここまで来るとさすがに気持ち悪い)。

1年生は私を含め2人で、もう1人の女の子も家が近く仲が良かった。朝になりひどく酔ったその宇宙ちゃんは、色んな先輩に抱きついて回った。もちろん私の好きな人にも抱きついた。宇宙ちゃんは委員会の部署が好きな人と同じだったので仲が良いのも慕っているのも当たり前なんだけれど。その後は抱きついたり、どこ、どこと大声で叫んだりしていた。
家につれて帰る途中もずっと肩を組んだまま抱きついていた。家に帰ってからも抱きついていて、好きな人が帰りそうになる度に家から出ようとするので、申し訳ないけれど家にいてもらった。
その後も抱きついたまま眠りにつき、最初抵抗していた好きな人も諦めたようで一緒に眠り始めた。何回も頭を壁にぶつけられていたし、髪も相当引っ張られていたからしょうがないと言えばしょうがないけれど、結局恋人同士のようにお互いに抱き合い、頭を撫でていた好きな人を見ていてとても悲しくなった。本当に辛くなった。

私だってもっと体を触りたいし、触ってほしい。頭だって撫でられたい。暖かいなって思いたい。

考えないようにしていたけれど、冬合宿でも私は肩を組んでもらえることはなかった。いつも私の家で遊ぶ界隈の子とは組んでいたのに。私からはとてもじゃないけれど組みに行けなかった。向こうからももちろんそんな素振りは見せなかった。

春からは1年生も入ってくる。好きな人を取られたくない。恋人になれないなら、1番遊んでる後輩で1番可愛い後輩であり続けたい。このポジションを取られたくない。

宇宙ちゃんはなにも自分から進んで出来ない私を色んなところに連れて行ってくれるし、色んな経験をさせてくれる。仲はもちろんいいし、私が困った時も助けてくれる。
だけど、今回の件はなんだか相当堪えた。

女嫌な所を濃縮したみたいなどす黒い紫色の月経血で心が埋まってる。

歳を重ねる毎に自分の中の女をとても意識する。仲良い振りをして互いの弱みを握りあい、パズルみたいな仲良しを作り上げたり、大切な人の内緒よりも自分の楽を優位にして弱みをばらまいたり。そのお陰で弱みを握りあった、ある意味強い絆のようなものが生まれるわけだけれど。

本当に全部が嫌だよう。



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