Chapter.1-4




『稲田くん、お久し振りです。元気にしていますか?私は元気です。

こっちの生活にもやっと、本当にやっとですが少し慣れてきました。
最近は一人で買い物に出掛けたり、お店の人とちょっと会話したり、たま〜にだけど値切ってみたりと(笑)、自分から話すよう心掛けています。それのお陰か、英語力は少し上がってきたかも!と思っているところです。(英語だと私、つっかえないで話せるんだよ!なんだか不思議だね(笑))
ホームステイ先の皆さんもとっても良い人達で、面白くて、毎日楽しみながら勉強させてもらっています。お兄さんがNintendo大好きで、よくゲーム大会をしています。私も入れてもらうんだけど、自分一人だけ下手過ぎて、信じられないという顔をされます…(笑)テトリスなら負けないのに…!><

そうそう。この前はなんと、かの有名な×××のライブハウスに足を運びました!このステージで○○や△△が演奏したんだなと思うと何だか込み上げてくるものがあり、カメラを持つ両手が震えてしまったよ。写真、たくさん撮ったので数枚送ります。
来月ここで○×がワンマンライブをするんだって!すごいよね!私はスクールの予定があって行けないんだけれど、これは必ず稲田くんに伝えなくちゃ、と思って…!いつか、来日してくれたらなあ。その時は私も稲田くんと同じ会場内で、生の演奏を見られたらいいなと思います。

少し前だけど、一週間ほど帰国していました。その時に、峯田くんや柴崎さん、林さんと会ったよ!みんな元気そうでした。近況を聞いたり当時の話をしたりして、楽しい時間を過ごすことができました。峯田くんは金髪になっていて、柴崎さんは髪を短く切っていて、すっきりしていたよ!
稲田くんにも会えたらいいなと思っていたんだけど、タイミングが合わないままこちらに戻ってきてしまったので…また、次の機会にでも会えたら嬉しいなって、思っています。

ラインの既読がつかなくて、少しだけ心配しています。稲田くんが元気にしていてくれればいいなと思っています。ごめんなさい。私からこんなメールをもらうのは、もしかしたらとても嫌なんじゃないかな…とか、色々と考えてしまって、送信ボタンをなかなか押せないでいました。もし不快な気持ちにさせていたらごめんなさい。返信は、大丈夫です。

私の留学期間はあと2ヶ月くらいで終わるので、9月の半ばには日本に戻っている予定です。
留学中に出会った人々のことや、この地で知り得た沢山のこと、それから音楽のことも、稲田くんに会って話したいなって思うことがいっぱいあります。いつか、会えたら嬉しいな。
もし会えそうな時が来たら、いつでもいいので、その時は連絡をくれたら嬉しいです。

突然のメールごめんなさい。
あと2ヶ月、悔いのない留学生活を送りたいと思います。頑張ります!

古手川ひろ』





俺がそのメールを読んだのは、病室のベッドの上だった。




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