Chapter.1-2



「うぇ〜い!古手川ちゃん超〜久し振りじゃね!?向こうの暮らしはどーよどーよ!?うわ〜マジかパねぇ〜!超憧れるわ!俺もいつか行ってみたいすわ〜!
てか見てよ俺!このニューヘアスタイル!ちょっと自分でも確変起こっちゃった的な!?イケてる気しかしないっつーか!俺さ、今までずっと顔面隠し気味の髪型してたんだけどさ〜、こうやって出しちゃった方が実は似合っちゃってね!?マジ盲点だったわ!!や〜美容師のお姉さんにも顔がいいから隠さない方がいいですよとか言われちゃって〜!なんか髪型変えてから世界が違って見えちゃう感じ!わかる!?視界が超クリア!これからはこの髪型が俺のトレードマークになるんでヨロシク!!

うん?ああ、イナディーね!…あっ!そうだそうだ!はいはいはいはい!!俺さぁそういやちょっと前に会ったんだわ!そう!店で!!んとね二ヶ月くらい前だったかな!や、俺ももう辞めてるからさ、その時はたまたまお客さんとして遊び行ってただけなんだけど!
え?いやまぁ〜なんつうの?彼女と家でDVDでも観よっかな〜とか思って…まあそうなんですわ。彼女と借りに行ったんですわ。すんませんマジ、俺、彼女いるんすわ〜!てか、この話聞きます?聞いちゃいます?…あ、りょっす。じゃ本題戻るっす。
うん、そんでイナディーもね!たまたまいたのよ、店ん中に!!なんかガラ悪そうな連中とつるんでてさ〜!俺のことには全然気づいてないみたいで、なんか話しながら棚移動しててさ。で、俺、やっぱ気になるじゃん!?だってイナディーと会うのなんて数年ぶりだったからね!だから俺、彼女にちょっとDVD選んどいてっつってイナディーのことさり気なく尾行したのよ、店の中で。いや勿論気づかれないようにね!…え?だって怖いじゃないっすか!めっちゃヤンキーみたいな奴らと一緒にいたんすもん!絡まれたらひとたまりもないでしょうよ!
でさ、そしたらさ〜!!!聞いてマジ!!こっから大事件!!マジで聞いて、マジだから!!なんか棚の上の方のCD取ろうとしてさ、イナディーが腕伸ばしたわけ、そしたらよ!そしたら!!手首んとこにね、タトゥーが!!入っちゃってたわけ!!俺マジすんっげーびっくりしてさあ!!だってそういうの興味なさそうだったじゃんイナディー!!髪型以外は無頓着だったじゃん!?悪く言えば頭ツンツンにすることにしか気遣ってないんじゃねみたいなとこあったじゃん!?なのにさー!タトゥーよ!タトゥー!!
なんかこう…シュッシュってした感じの模様みたいなのと、その下にバーコードみたいな感じの!…え?えーと描けるかな…なんかこんな…。ま!ちょま!だめだ全然違うわ、メッチャ難しいわ!俺ダメなんですよ、絵下手なんで!!

でさ、イナディー昔はいつも眉間に皺寄せてさ、怖い顔してたじゃん?でもその時のイナディーは何か…目が死んでたっつーか…無表情みたいな感じでさー。…俺、声かけらんなかった。イナディーが一人になった瞬間も何回かあったんだけど、それでもやっぱり声かけらんなかったよ。
髪もさ、なんか伸ばし放題で、全然放置って感じで。うん、ぺったんこよ、ぺったんこ!毎日あんなバリバリに固めてたくせに!!…ホント、魂抜けたみたいな感じっつうのかな。
あ、でその後は怖そうな連中と一緒にカウンター行ってお会計して店出てっちゃった。あれ何繋がりの人たちだろ?なんかスーツとか着てる人もいたし、超ドヤンキーみたいな人もいたし…。うんうん、男ばっか!五人くらいだったかな?いや〜大学の友達ではないんじゃね?年齢がバラバラっぽかったっつうか…や〜分かんないっすわ!謎に包まれてましたわ!
あ、で俺が彼女と一緒に観たDVD何だと思います?四択とかにしましょうか?えーっとじゃあまず1!…え、あ、りょっす。

…てかさ、俺、二人が付き合ってたことも初めて知った時は超〜驚いたけど、別れたってのも超〜ビックリしてっからね今!!マジで!!え、てか何で何で!?何で別れたん!?てかいつ別れてたん!?…いや〜だって…イナディー、ゾッコンだったじゃんね…。え、あ、そーすよね。ごめんね古手川ちゃん、答えにくいことばっか聞いちゃった。
ってかてか、二人が付き合ってるって初めて知った時のこと俺今もすげー鮮明に覚えてるわ!
そうそう!林さんもいましたよね!四人でバイト上がりに、このファミレス入って〜!なんだっけ?俺が何か古手川ちゃんと手の大きさ比べたりとかしてたんだっけ!?そうだそうだ!そうだわ、そんでそのまま指相撲対決に発展しそうんなって!
そしたらイナディーがキレて!さっきから馴れ馴れしいんだよっつって!唐突に!俺怒られて!!俺マジでその時の脳内、何が何やらだったからね!
あは、そーそー!俺が小粋にさぁ、いや彼女かよ!ってツッコミ入れたら「彼女だよ」って!即答されて!!古手川ちゃんメチャクチャ慌ててたよね!いや俺も寝耳に水よ!寝耳に水!超驚いたわ!あ〜林さんも隣で静かに固まってましたね〜。あっはっは覚えてますわ〜。「夢敗れたり」って呟いてましたよね覚えてますわ〜!!
は〜、当時は林さんに、イナディーと俺二人でやたら休憩一緒にされたりレジ締め一緒にさせられたりしましたね〜!懐かし〜!!いやイナディーのことはそりゃ好きでしたけどね!かっこいいじゃん、強いし!
そういや俺が脚立の上ですっ転びそうんなって、イナディーが助けてくれた時のこと覚えてます?あははそうですよね、そりゃ覚えてますよね!あの時の林さんの顔、俺一生忘れられないっすわ〜。目が血走ってましたわ〜!!

まあ…なんつーの?人それぞれ色々あるだろうし?イナディーも何かいろいろあったんじゃね。ほらだって俺も!この変わりようときたら!マジさなぎが蝶に脱皮するかの如く!!…え、あ、はい声でかくて申し訳ねっす。
え、マジ?ラインの既読つかないの?うぇ〜なんでだろ!?せっかく古手川ちゃんこっち来てんのにね。せっかくなら居る間に会いたいよね!
ん〜…。もうこうなったら家行ってみちゃえば!?そうそう、たまたま通りかかって〜とか言っちゃえばさ!古手川ちゃんの実家もあの辺じゃなかったっけ。そうそう、ついでに寄ってみたらいーじゃん!いやダイジョブっしょ〜!!案外ケロッとしてっかもよ〜!

…んじゃ〜そろそろ!出るとしますか〜!
そうなのよ〜!俺この後彼女とデートなのよ〜!どこ行くと思います?それがねぇなんとこの後…あ、うぃっす。えーとミートドリアとドリンクバー。あ、はい、会計は別で」



某日、柴崎さんと林さんと。






←prevBack to Mainnext→





「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -