Chapter.1-1




「わー久し振り!元気してた!?

髪切ったんだね、なんか大人っぽくなったねー!え、俺?そうそうメッチャ脱色して!うん、金髪!えへ、マジで?似合う?あはは、ありがとー!
いつまでこっちいるの?そっか、○日にはかえるのか〜。やー会えて良かった、高校ん時一緒にライブ行った以来だよね!うん、わかった○○にも伝えとく!

あー…あいつか。んとねー、最後に会ったのいつだったかなー…そうだ、成人式で会って…その後ちょっとだけ喋ったんだよね。あれが最後だったかな。もう会わなくなって一年以上は経ってると思う。今どこで何やってんだろ。
え、ラインの既読つかないの?いやアカウントは変わってないと思うよ、うん。何だろうね、携帯失くしたとかかな?
んー…最後に会った時ね、なんかあいつ、だいぶ覇気なかったよ。あー、あはは。…や、あんま詳しくは聞いてないけどさ。んー…なんか、こてちゃんと別れてから自暴自棄みたいになってるって言って笑ってた。いや、ホント笑ってたんだけどね。
大学も結構休んでるみたいだったなあ。今はどうなんだろうね?うん、そうだね、元気になってると良いよね。

…最後に会った時にさ。あいつ、ほんとに…なんか、目が虚ろでさぁ…。最近なにしてんのって聞いたけど「なんも」としか答えなくってさ。なんかさー…何言っても何聞いても、暖簾に腕押しっていうか…届いてない感じがしてさ、あいつの耳に。
そんでさ、すっげぇー吸うの!煙草!もうさ、ずっと吸いっぱなし!火消した瞬間に次の煙草取り出す感じでさ。吸いすぎじゃねって軽く言ったら「だってこれしかねーんだもん」って。あいつが吸ってるのは、そりゃ高校の時から見てたけどさぁ…。なんか、ちょっとビックリした。煙草切れたら死ぬんじゃないかって思うくらい、ほんとにずっと吸ってたんだ。依存してんだろうなーって…なんかちょっと、見てんの辛かったな。
…で、最後あいつと別れる時にさ、ごめんねって。「もうずっと頭使ってないから脳みそ死んでんだ」って、笑いながら言われた。俺、どーゆー意味か分かんなくてさ。だから、俺よりお前の方が頭いいじゃんって返したんだ。だって高校ん時、あいつ結構成績良かったんだよ!俺は超〜バカだったから!…でも「そういう意味じゃねえよ」って、また笑われてさ。

…ん?んーとね、髪だいぶ伸びてた!あと髭生えてた!あははホントホント!鼻の下と顎にちょっとね。あと高校の時より痩せたと思う。ちゃんと食ってんのかなぁ?相変わらずカップラーメンばっかなのかもね。

…こてちゃんからお別れ言われた時、こてちゃんの言葉の意味が全然分かんなくて、分かんないまんま投げちゃったって…言ってた。ちゃんと分かるまで話せば良かったって、それだけはちょっと後悔してるって。…それで俺が「もっかい話しに行けばいいじゃん」って言ったら「会う資格ねえよ」って言ってた。
…俺はさ、二人がどんな理由で別れたのかは分かんないけど、ん〜…俺には、こてちゃんとあいつ、超お似合いに見えたよ。あいつもこてちゃんのことホンット、超好きだったし。え?いやだって、俺何回か釘刺されてたから!あはは、マジだって!そーだよ俺にだよー!あいつバカだよね!「馴れ馴れしく触んな」って多分10回くらいは言われてる!あはは、ヤキモチ焼きだからなーあいつ!
…で俺、こてちゃんもあいつのことすげー好きだったように見えたよ。…だから二人が別れたって聞いた時は、本気でビックリした。あいつ、そういう冗談言わないじゃん。
「なんで!?」って聞いたら「俺にも分かんない」って返されちゃってさ。なんだろうなあいつ!他人事みたいにさ!…ほんと、抜け殻みたいになっちゃってさぁ…。

…や、ううん。こっちこそなんかごめん!こてちゃんから聞き出そうとか思ってる訳じゃないよ!うん、俺も会えて嬉しかった!こてちゃん綺麗になったねー!うん!大人っぽくなった!あはは、こういうことすぐ言うからあいつに胸ぐら掴まれるんだなー俺!
あっそうだ!××がメジャーデビューしたんだよ知ってた!?そー!あん時一緒に観に行ったバンドー!こてちゃん確かあいつからCD借りてたよね!うん、すごいよね、もう3枚くらいメジャーで出してたかな?うん、結構有名んなっちゃった!チケット取るの大変でさー!でも今度ね、あの箱で原点回帰ライブやるんだって!うん!チケット取れるように祈ってて!超楽しみ!

こてちゃん。稲田と、会えたらいいね。
うん。俺もまた久し振りにラインでも送ってみるわ!多分ちょっとしたら「ごめん携帯失くしてた」とか言って返信来ると思うよー!

うん!そしたらまたね!○日まではこっちいるって言ってたよね、そしたらゆっくりしてってねー!じゃーねー!」




某日、峯田くんと。





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