いまつるちゃんが部屋替えを頼んだ話

私はとあることで悩んでいた。
悩んではいたが、これは誰にどう打ち明けるべきか悩んでいた。
正直シモの話などセクハラでしかないだろう。
…打ち明けられそうなの…青江ならいいかなぁ…?
青江はいつも下ネタ投下して場を和ませてくれるから…。
そんなことを思いながら私は青江をお茶に誘った。
「僕を誘うなんてどういう風の吹き回しだい?」
「…相談したいと言うか、話を聞いて欲しくてなぁ…」
と、紅茶とクッキーを勧める。
青江は訝しげな表情をしていたが紅茶を一口。
「…光忠のことなんだけど…」
「本人には言えないことかい?」
「まぁ…」
「聞こうじゃないか」
「…シモの話になって申し訳ないんだが…」
「うん?」
「口淫をさせてくれないんだ」
「…助っ人を連れて来てもいいかい?」
「構わないが…」
そう言って連れて来たのは、石切丸と今剣。
青江が石切丸を連れて来て、石切丸が今剣を連れて来たのだそうだ。
二人にも紅茶をクッキーを出して、座ってもらった。
「で、どういう用件なんだい?」
石切丸が切り出した。
「実は…光忠が口淫をさせてくれなくて…」
「光忠君は理由を説明してくれたかい?」
「いいや」
私が首を振ると今剣は神妙な顔つきで答えた。
「それはきっとあるじさまをしんぱいなさってのことですよ?」
「そうなのかなぁ…」
「そうです、あるじさまにふたんをかけまいとなさってでしょう」
そう言ってクッキーを頬張る。
「精液は特に神気を含んでいるからね、それでなくても主は毎晩のように閨で励んでいるだろう?」
「う、うん…」
「よくそれで主は倒れないものだと思っているよ」
「あぁ…避妊のためもあって直接精液に触れないようにしているから…」
「それでもまぐわうことじたいがしんきをよびこむのです、あるじさまはれいりょくがつよいのですね」
「…それだけが取り柄みたいなところがあるからな」
「いいかい?お熱いのもいいけれど、無理はしてはいけないよ?主の代わりはいないのだから」
「あるじさま、いいですか?」
「何だい今剣」
「ぼくのみたてでは、あるじさまはずいぶんむりなさっているようにみえるのです」
「そうでもないが…」
「からだがだるいなぁとおもうことはありませんか?」
「…それは…寝不足だからだと思うんだが」
「それはねぶそくでなくしんきをとりこみすぎたえいきょうです、まぐわうなとはいえませんからかいすうをへらしてください」
「僕が言うよりこの二人なら説得力があるだろう?」
青江が得意げに言う。
そこで得意げになってもダメだろう青江。
とはいえ、石切丸と今剣の平安コンビの説得力は大きい。
私は素直に頷いた。
「…はい」
「ところで…閨に誘うのはどちらからが多いんだい?」
「青江…お前な…」
「大事なことだから聞いてるんだよ?」
「私から誘うことが多いな…」
「やっぱりね」
そう言って溜息を吐いた。
なんだ。
「これからしばらくまぐわうのは止した方がいい、今剣の言うように神気を取り込みすぎる」
「…参考にする…」
「あぁ、くれぐれも倒れないで欲しいね」
「そうですよ?あるじさまがいないとほんまるはきのうしないんですから」
「で、僕もシモの話をさせてもらおうか」
と青江がにっかり微笑んだ。
「光忠君は大きいのかい?上手いのかい?」
見れば石切丸も今剣も興味深そうに私を見ている。
おいおいおいおい。
「…お風呂で一緒にならないのか?」
「光忠君隠すの上手いんだよね、それに上手いのかどうかは僕達にはわからないだろう?」
「光忠は…でかくて上手いな…しかも色っぽい、男のくせに私より色っぽい…ズルい」
「わかるきがしますね…ぼくたちがふざけてあそんでいたときにみつたださんのまらをさわったら、とてもかわいいはんのうをしましたからね」
「…そうだよなぁ、光忠はかわいいよなぁ…」
しみじみそう言うと、青江がにっかり。
「…光忠を初めてことに及んだ時に口淫をしたんだが…その…ものすごくかわいかったんだ…」
「おやおや、惚気かい?」
「惚気る相手もいないんだ、許して欲しい…ところで…石切丸と青江はどうなんだ?」
「僕達かい?!」
青江が驚いて聞き返し、石切丸は飲んでいた紅茶でむせた。
「ふふーん、そちらもきょうみありますね!」
今剣もにやにやしている。
「…何で…わかったのかな?」
石切丸がちょっと挙動不審気味に尋ねる。
ほら、そんなところでバレバレなんだって。
「わからいでか」
「そうです!」
「そもそも青江、お前私と同じくらい隠す気ないじゃないか」
「そうですよ、いしきりまるもあおえも…ぼくがいてもいちゃいちゃしてるじゃないですか」
「そうなのか?」
「そうですよ、へやをわけてほしいです!」
「その件は申し訳ないが岩融や小狐丸や三日月宗近が来たらだ…」
「とうぶんさきなんですか…しょんぼりです」
「三日月宗近や小狐丸はともかく…岩融くらいすぐ来るだろう、もうしばし辛抱してくれ」
「はい…まだあおえのあんなこえをきくひびがつづくんですね…」
「ちょっと待って?!今剣いるのに励んでるのか二人とも?!それはやめよう?!」
「…バレていたのか…」
「わかった今剣、部屋変えてやる…しばらくは一人部屋になるけど辛抱してくれ」
「わかりました!」
「二人もそういうことなら早く部屋替えの申請をしてくれればよかったのに」
「…申し訳ない今剣」
石切丸がいたたまれないと言った具合で今剣に謝っている。
青江、赤面してるけどお前キャラ違うだろ…。
こうしてシモの話から最終的に今剣の部屋替えの話になったのだった。

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