0.5

ある日恋を知った。

日々成長するサキ見て思うことがある。
私はサキを愛しいと思っている。
この感情に間違いはない。
だがこの愛しいの種類は何だ?
子を愛しいと思う類のものなのか?
異性として愛しいと思っているのか?
異性として?バカな、サキはまだ子供だ。
…だが思っている以上に早く成長するのが子供で、特に女の子は早熟だ。
こちらがまだ子供だと思っていても、不意にドキリとするような表情や仕草をする。
華子がそうだったように…。
華子の時はわからなかったのに…いや、私がわかろうとしなかったからかもしれないな。
サキは日に日に大人びて見える。
私はサキをどうしたいのだろうか?
サキを見ているとわかる。
サキは…多分私のことが好きだ。
うぬぼれではなく、確信めいたものがある。
私は…サキに想われて嬉しいと思った。
まだまだ子供だと思っていたあの子に…。
これは恋と呼べるのだろうか?
だが私がサキを愛しても良いのだろうか?
血塗られた私の手で人を愛しても良いのだろうか?
私のような臆病で卑怯な人間が彼女を愛しても良いのだろうか?
サキに愛される資格が私にあるのだろうか?
でも…と思う。
私はサキを愛している。
サキが望むなら私は彼女を愛し続けよう。
私はサキに愛されたいと思う。
これを恋と呼ばず何と呼ぶのか。
そうか、私は…恋をしていたのか。
この胸の高鳴りも、この胸を裂くような切なさも…すべて恋をしているからか…。
その事実ですべて納得がいく。
そうか、それならば…私は見守っていよう。
私の腕の中に飛び込んでくるまで。
彼女が私への想いに気付くまで。
…そのための努力は惜しまないつもりだけれど。

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