雲外蒼天-本編- | ナノ


▼ 文と涙と-04-


ーーーねえ、竹成様。

「のう、何か面白い話は知らぬか?」
『面白い話ですか?……なら私のとっておきの秘密を、ーーー聞きますか?』

貴方は自分が死んでしまうとわかっていたのですね……。

「なんと!それは誠か?前世は未来の世で生きていたと言うのは!!」
俺はなにも知らなかった。

『ふふ、ええそうなんですよ。ですが、このことは竹成様と私だけの秘密ですよ?』
忍務なんて無視して、貴方の側にいるべきでした。たとえそれが、城主の命に背く行為だとしても。

「蓮夜また未来の話が聞きたい!」
『竹成様は未来の話がお好きですね。』

それでも、

「"未来の世を知る"と言うことは、"蓮夜を知る"と言うことにも繋がる。だからお前の話は大好きだ。」
ーーーそれでも、

「のう、蓮夜。……未来の世では、無意味に血を流す戦は無くなっているのか?こんな階級に縛られる世ではなく、皆が平等に暮らせるようになっているのか?」
"許す"と言って下さった貴方に、

「……皆を許そう。…お前もだ蓮夜。」
俺は確かに救われました。

まだ本当に許されていいのかはわかりませんが、これからも貴方との思い出を胸に生きたいと思います。

「逃げてくれ。…――逃げて、…生きて、く…れ」
竹成様、貴方は俺の……。
いえ"あたし"の

「ありがとう」
唯一の理解者で、大切な友人でした。



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