約束*三木ヱ門のバヤイ-01-
「蓮夜くーん掃除変わるよ〜。」
手を振りながら駆け寄ってくる小松田さんに俺は掃除の手を止めた。
「このあと約束あるんでしょ?」
『あれ、もうそんな時間ですか。』
掃除をしてたら結構な時間が経っていることに気づかなかった。
「後は僕がやっとくよ。」
それはありがたい。
約束の時間も迫っているので、俺は小松田さんに甘えて掃除を任せることにした。
仕事が増えないことを多少祈りながら。
『じゃあ後はお願いします。』
「はーい。」
約束の場所に行けばそこにはもう準備万端な三木ヱ門がいた。
『すまん、待たせたな。』
「いえ、そんなことは!こちらこそ我が儘を聞いて下さってありがとうございます。」
俺の目の前にいるのは石火矢のユリコ。
うん、凄く綺麗に手入れをされてる。
それだけ大切にしてるんだな。感心感心。
プロ忍でも武器の手入れを疎かにするやつはいる。
だが、手入れをこまめにする事で、自分の持っている武器の特徴や癖.また長けている所や劣っている所を把握できる。
また、それが忍務の成功率や自分の生存率も上げる事に繋がると言うわけなのだ。
下手なプロ忍よりも彼らは忍だね。
そこら辺の奴等では敵うまい。
『さてと、鍛練始めますか。』
「宜しくお願いします!」
俺の言葉に三木ヱ門は頭を下げて元気よく挨拶をした。
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