ツッ君が信じてくれないなら、腹いせに笹川京子を滅茶苦茶にしてやるんだから!!
精神的にも、肉体的にも、ボロボロになっちゃえば良いのよ!!
春菜は顔を醜く歪めた。
どうせ、私の取り巻きの男子達にイジメられるんだからさ。
靴箱にゴミ、物隠し、机に落書き・・・なんて、もうやられちゃってるかも。
ふん、と鼻で笑って教室に向かった。
ボロボロになって泣き叫ぶ、笹川京子の顔を思い浮かべながら。
しかし、教室に入って絶句した。
笹川京子はまだ来てなかったが、彼女の机。
昨日までと何一つ変わってない。
綺麗なまま。
何で・・・・・・?!
何で・・・どうなってるのよっ!?
「あ、春菜ちゃんおはよう!腕大丈夫か?」
心配してくれるのは男子だけ。
女子は、敵意こそ向けない物の、私なんて存在しないかのように、友達同士で喋っている。
面倒事には関わりたくないから、私から離れた。
私は、そう理解した。
だって、私はあんな
私の知っている世界には、あんな人は存在しなかったのだから・・・
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朝、京子ちゃんの机は昨日と何ら変わらず、綺麗だった。
それを見た時の永山さんの反応ったら、もう見物だった。
私は別に驚かないけど。
だって、イジメなんて出来ないもん。
璃真さん、そういうの嫌いだし、京子ちゃんは璃真さんと仲が良いわけだし。
・・・・・・あ、れ?
そして気づいた矛盾。
なら、何故、彼女は・・・
昨日、あの場に来なかった?
彼女があんな騒ぎに気づかないはずがないのに。
沢田君からも、転校生について聞いているはずなのに。
なぜ・・・・・・?
考えてもわからない。
そうこうしている間に、授業が始まり、気が付くと、すでに4時間目になっていた。
空白の、京子ちゃん、花ちゃん、沢田君達・・・・・・計5人の席を見つめる。
そのとき、いきなりガラリと開けられたドア。
入ってきた人を見て、クラス中が固まった。
璃真さん・・・!?
「授業中、失礼します。永山春菜さんに話があるのですが、構いませんか?」
そう言って、彼女はニッコリ笑った。
やっと動いた・・・いや、姿を表した
あなたは舞台で、どう相手をするの?永山さん。
「私ぃ・・・ですかぁ?」
「うん。授業中にごめんなさい。先生、構いませんか?」
「あ、ああ!もちろんだよ!
永山、授業はちゃんと出席ということにしておくから、ちゃんと話を聞いて来なさい」
「は、はぁい・・・」
担任の態度が理解できていない永山さん。
だって、そうよね?