肉食系ラビット | ナノ
褒め言葉

 


片付けろと命じられて脚に少し痺れを感じながらも立ち上がりテーブルに置いた皿を持ってキッチンへと向かう。
冷えて小さく硬くなった元肉が可哀想だ…。
俺が食うんだから別に良いじゃねぇか。
でも逆らえる筈もなく処分を決意した時、


「……テメェ、良い体してんじゃねぇか。締まってて腰細ぇし」

そう言って制服のシャツを捲り上げて触ってくる俺よりも小さな手。
あまりに急な非常事態に何が起きてるのか理解できず皿を持ったまま固まってると手が少しずつ上に…

「ぎゃぁああああ!!」

耐えきれない状況に思わず叫んでしまった。
俺の声に少なからず驚いた清隆寺の手が離れた隙を見て俺は離れた。
おまっ、何してんだよいきなりっ!
皿落としかけたじゃねぇか!
じゃなくて、えーと、何だ。
何で俺の腰を触った。
それだ、それを先ず聞こう。

「いきなり叫んでんじゃねぇよ、うっせぇ」

口を開く前に清隆寺が距離を縮めてきて俺は壁に押さえ込まれた。
何だよ、この状況は。
今目が合ってるのに怒られねぇ。
代わりに滅茶苦茶力強い目で見られてるっつか睨まれてる…!
叫んでも不機嫌にしてるだけで蹴られねぇし。
蹴られんの待ってるとかじゃないぞ!
どうしたんだよ一体。
昼飯に何か変な薬盛られたのか?
逃げる事も出来ずまた清隆寺の手が直に俺の腰に触れてくる。

「な、何やってんだよ…」

あ、俺初めて普通に話し掛けてる。
でも返答は無くて指先が割れては無いけど締まった腹筋に沿って撫でられる。
これは流石に、擽ったい。
逃げていいか?この現状から逃げていいか?

「テメェ、ちょっとは色気ある反応出来ねぇのか?」

は?
何だその色気って。
清隆寺が何をしたいのか分かんねぇ。
どの反応が正解なんだよっ。
意味を探るように見つめたら顎を掴まれて引き寄せられる。

「あだっ!清隆、寺…」

「睨んでんじゃねぇ」

低く不機嫌そうに呟くと清隆寺が離れていく。
俺はそのまま壁に凭れて呆然と立ち尽くしてる。
俺、睨んでねぇって。こういう顔なんだよマジで。


 


[*prev] [next#]
[mokuji]



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -